Death鬼ごっこ② 第一話

 生き残ってから悟はずっと、ユキの顔が脳裏によぎり、眠れなくなっていた。

「悟、隈がすごいぞ……ちゃんと寝てるか? 悩み事とかあったらなんでも言えよな」

クラスメイトにも心配をかけていた。

(心配事、かあ。ユキのことなんて言えねえしなあ)

悟がボーッとしていると、先生が言った。

「今日から転校生が来た! みんな、仲良くするように! じゃあ、入って!」

悟はその転校生を見て、驚いた。なぜならその転校生は――百夜だったからだ。

「百夜です。よろしくお願いします」

「え、百夜がなんでっ……!」

悟は思わず、叫んでしまった。

「悟、友達なのか?」

先生に聞かれた。悟は少し悩んでから言った。

「はい! 俺の親友です!」

そういうと、百夜はピクリ、と少し反応したが、何も言わなかった。

「そうか! それじゃあ、悟は百夜のお世話役になってもらおう!」

(え~……)

百夜は悟の席の隣になった。

 「お前、なんでここにいるんだよ」

悟が小声で話しかける。

「うるさい。授業に集中しろ」

百夜は悟を見ずに黒板を見たまま、言った。

「同い年だったんだな」

「黙れ」

百夜は冷たく言い放った。

 休み時間では。百夜はクラスメイトに囲まれて、質問攻めに合っていた。百夜も悟も、デスゲームのことなんて忘れていた。

「ねえ、百夜くんは名字とかあるの?」

「無い」

「どこらへんに住んでるの?」

「あ~……歩いて十分のとこ」

「なんでこの学校に来たんだ?」

「……親の都合で」

百夜は全ての質問に素っ気なく答える。百夜は勉強もできた。いつもテストでは百点ばかりとっていた。

「百夜くんってすごいね!」

「別に。これくらい何ともないだろ」

 ただ、百夜はあまりにも素っ気なかったらしい。次第に、百夜の周りから人が消えていった。

「あのさあ、お前、もっと愛想よくできないわけ?」

「はあ? 答えてやってるだけいいだろ」

百夜が馬鹿にしたように言った。

「はあ……」

 次の日。悟が登校すると悟が思った通りになっていた。百夜の机には落書きが描かれていた。「馬鹿」「死ね」「学校に来るな」百夜は黙って雑巾で机を拭いていた。

「百……」

悟が声をかけようとすると、突然、落ちるような間隔に襲われ、気付くと広間にいた。そこにはGMではなくユキ。

(今まで、学校にいるときは呼ばれなかったのに)

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