ファンタジー技術で日本を最強国家に! 〜科学を知らない異世界文明相手に日本産高度製品で貿易します〜
猫瀬キョウセイ
序章
プロローグ
岩間から湧き出る清水に、美しい鳥の囀り声。
日本人の原風景は山にあると良く言われるが、正にその通りだと脳内で太鼓判を押した。
「やっほー!」
崖下から見下ろした
確かに猫も良い。カラオケも良い。ドカ食いも良い。しかし、されど敵わぬほどのストレス解消能力が山にはあるのだ。
小規模だがきちんと整備された山道を抜けると、今度は手つかずの山林に出る。バードウォッチングに興じたいのもやまやまだが、それは今度。
今日ここに来たのは何も休養のためではない。
雄大な原生林に囲まれた道なき道をズンズンと進んでゆく。しばらく歩けば、やがて拓けた大地が見えてきた。
臆せず侵入する。そして目に入るのは石造りの神明鳥居。額には『雨宮』の文字。
「お邪魔します」
一礼して鳥居をくぐる。澄んだ空気を胸に満たしつつ、俺は箒の仕舞われた社務所へ向かう。
親父から聞いた話では、荒れ狂う山の天候を恐れ、土着の雨神を祀ったのが由緒だと言う。
元々人の少ない地域だったのもあり、今ではすっかり廃れてしまった、なんて嘆いていた。
神職用の
神様の住心地に関わることなので、この作業には幾分も増して気を遣う。といっても、端から見ればただの掃除なのだが。
境内と神殿を隅々まで禊ぎ終えた俺は、神域の中で一息ついていた。見渡すと鎮守の森の木々が、青々と葉を付けている。
さて、と立ち上がった俺は、先程の景色に妙な違和感を憶えていた。
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