第2話

(SE:袋をガサガサ開ける音)


彼女(ワクワクした声)

「じゃーん! 持ってきました、クリスマス飾りセット!」


(机に袋を置く音、ガチャガチャと中身を出す音)


彼女

「見て見て! ほら、このキラキラモール! 100円ショップで買ったんだけど、結構豪華でしょ? あ、あとね……この雪の結晶ステッカー! 窓に貼ったら一気に冬っぽくなるやつ!」


(バサッと広げる音)


彼女(誇らしげに)

「これさえあれば、ここもホテルのラウンジみたいになる……はず!」


(SE:椅子を引く音、彼女が立ち上がる足音)


彼女

「じゃ、にーちゃん……じゃなかった。ご主人さま! 助手として働いてください!」


(間を置いて笑いながら)

「え? なんで“ご主人さま”って? だって私、今日サンタ役だから! サンタってだいたい助手のトナカイ連れてるじゃん? だから君はトナカイ役! ほら、カチューシャつけたままだし!」


(クスクス笑う)

「似合ってるよ? うん、完璧」


(飾りを手に取る音)


彼女(指示するように)

「じゃあ、まずこのモールをカーテンレールにぐるっと巻き付けよう。……よいしょっと……届かない!」


(椅子を引き寄せる音、ギシッと椅子に乗る音)


彼女(背伸びしながら)

「んん~……あとちょっと……あ、やば! 椅子ぐらぐらしてる!」


(椅子がガタガタ揺れる音)


彼女(小声で焦って)

「ちょっ……にーちゃん、押さえて! はやくっ!」


(彼が押さえる想定で椅子が安定する)


彼女(ホッとして)

「ふぅ~……助かったぁ。ありがと。やっぱりトナカイは力持ちだね」


(少し照れながら)

「……でも、もし落ちてたら、お姫様抱っこでキャッチしてくれてた?」


(間をあけてから耳元で囁く)

「……次からはちゃんとお願いね?」


(モールを飾り終える音、しゃらんと揺れる)


彼女(満足げに)

「よーし! 完了! これでだいぶ雰囲気出てきたでしょ?」


(雪の結晶ステッカーをはがす音)


彼女

「次はこのステッカー! 窓にペタペタ貼るよ~!」


(ペタッ、ペタッ、と貼る音)


彼女

「おおー! 雪降ってるみたい! ……ねえ、そっちにも貼ってみて? ……あー、そこ! そこはセンスない! もうちょっとバランス考えて貼ってよ!」


(すぐに笑って)

「冗談冗談! 君のセンス、悪くないよ。むしろ……可愛いかも」


(ツリーを箱から出す音)


彼女(テンション上がって)

「お待ちかね! クリスマスツリー登場~!」


(枝を広げるガサガサ音)


彼女

「ふふふ、これね、私の家から持ってきたの。ちょっと小さいけど、二人で飾るにはちょうどいい大きさかな」


(オーナメントを取り出すカチャカチャ音)


彼女

「さ、赤いボールと、銀のベルと……ほら、星もあるよ! じゃ、一緒に飾ろっ!」


(オーナメントをかける音、カチャリ……チリン……)


彼女(嬉しそうに)

「ねえ、見て見て! こっち、可愛いでしょ? あっちは君が担当ね」


(少し笑って)

「んふふ……なんかさ、二人で飾ると家族みたいだね」


(急に小声で)

「……夫婦って言ってもいいけど?」


(間をおいて、照れ笑い)

「冗談冗談! 顔赤くなってるし!」


(ツリーに星を乗せる音)


彼女(力を入れて)

「よいしょっ……! できた! トップスター完成!」


(少し下がって全体を見る音)


彼女(感動して)

「わぁ……きれい。部屋が一気にクリスマスになったね」


(彼の近くに歩み寄る音)


彼女(囁き)

「ねえ……ありがと。君が手伝ってくれたから、こんなに素敵になったんだよ」


(しばらく沈黙、暖かさを演出)


彼女(急にテンションを戻して)

「……さて! 写真撮ろう! せっかくだから、ツリーの前で!」


(スマホを取り出す音)


彼女

「はいっ、寄って寄って! 顔近づけて! ……はい、チーズ!」


(シャッター音)


彼女(画面を見て笑いながら)

「うわっ、めっちゃ仲良さそうに写ってる! SNSにあげたら『リア充爆発しろ』って言われるやつだよこれ!」


(少し真面目に)

「……でも、こういう写真、ずっと残しておきたいな」


(SE:ケトルが沸く音、湯気の音)


彼女

「あ、タイミングばっちり! ココア入れよっか! ツリー見ながらあったかい飲み物って最高だよね」


(マグに注ぐ音、とろりとしたココアの音)


彼女(湯気をふーっと吹いてから)

「はい、どうぞ。熱いから気をつけてね」


(彼の飲む音を想定して間を空ける)


彼女(優しく)

「美味しい? よかったぁ。私も……ん、あったかい……」


彼女(ほっとしたように小声で)

「ツリーもきれいだし、部屋もすっかりクリスマスだし……なんか、夢みたい」


(彼の肩にもたれる音)


彼女(耳元で)

「ずっと、こうしていたいな……」

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