第3話「猫耳動物心理学」 ~CUPID β v1.2 動物心理学システム~
「心理学部男子がAIの『動物心理学』で猫耳コスプレしたら、ペット枠に降格?」
3日目の朝、悠真は図書館デートの余韻でニヤニヤしていた。
『CUPID β v1.2にアップデート完了』
『前回成功要因:自然な遭遇演出が効果的』
『新機能:動物心理学システム搭載』
「動物心理学って……俺、動物になるの?」
『違います。動物の行動パターンを恋愛に応用する最新理論です』
講義室に入ると、椎名彩花がいつもの席で何かを見ている。
今日の彼女は淡いクリーム色のセーターを着ている。
悠真(心の中):「クリーム色か……心理学的にクリーム色は安らぎや温かさを表す。ということは彩花さん、リラックスモード?昨日の図書館で俺への警戒心が薄れたってこと?これは好機かも!」
「おはよう、悠真くん♪ 見て見て、これ!」
彩花がスマホの画面を見せてきた。可愛い子猫の動画が流れている。
「可愛いでしょ? 猫カフェで撮ったの♪」
悠真(心の中):「猫!猫の話題きた!これはもしかして……」
『緊急分析:対象が猫に興味を示しています』
『v1.2新機能起動:動物心理学的アプローチを推奨』
画面に詳細な分析結果が表示される。
『猫の心理学的効果:母性本能刺激、保護欲求向上、リラックス効果』
『推奨戦略:あなたが猫の特徴を真似ることで、同様の効果を獲得できます』
悠真(心の中):「俺が猫の真似って……にゃんにゃん言えってこと?それはさすがに……」
『具体的提案:猫耳アクセサリーを装着してください』
悠真(心の中):「猫耳!?猫耳って、あの頭につける……まさかコスプレしろってこと?!俺が大学で猫耳つけてゼミに出席?それ完全にやばい人じゃん!」
『動物心理学的根拠:猫は人間に安心感を与える動物です』
『彩花さんは猫好き確定。猫的要素を取り入れることで親近感が向上します』
悠真(心の中):「でも確かに動物心理学って実在する分野だし……猫が人に与える癒し効果は科学的に証明されてる。ということは、俺が猫になれば彩花さんに癒しを……って、俺が猫って何だよ!進化の方向逆だろ!」
『詳細解説:猫の鳴き声「ニャー」は人間の赤ちゃんの泣き声と同じ周波数です』
悠真(心の中):「同じ周波数!?ということは猫の鳴き声って、人間の母性本能を刺激するようにできてるってこと?じゃあ俺がニャーニャー言ったら、彩花さんの母性本能が……俺を可愛がってくれる?いや、可愛がるって何だよ!撫でられるの?抱っこされるの?それってもしかして……」
『実行準備:猫耳アクセサリーを購入してください』
『最寄りのアニメグッズショップまでの経路を表示します』
悠真(心の中):「アニメグッズショップって!俺がオタクグッズ店に出入りしてるとこ見られたら、今度は『アニオタ悠真』って呼ばれる!でも……でも彩花さんの母性本能を刺激できるなら……」
昼休み、悠真は恥を忍んでアニメグッズショップに向かった。
店員「いらっしゃいませ〜♪ 猫耳ですね!こちらピンクとブラックがございます♪」
悠真(心の中):「ピンクとブラック……ピンクは可愛さアピール、ブラックはクールさアピール?でも俺がピンクの猫耳って……でもブラックだと威圧感が……どっちも地獄だ!」
「あ、あの……どちらが効果的でしょうか……」
店員「効果的? あ、コスプレデビューですか?でしたらピンクがおすすめです♪ 可愛さ重視で♪」
悠真(心の中):「コスプレデビューって!俺、そんな趣味ないから!これは心理学実験だから!」
結局ピンクを購入した悠真。
午後のゼミの時間。
悠真(心の中):「いよいよだ……みんなの前で猫耳装着……これで俺の大学生活、また新しい伝説が始まる……猫耳坊主悠真として……」
『実行タイミングです。彩花さんが入室しました』
彩花がゼミ室に入ってくる。
悠真(心の中):「今だ!動物心理学の力を信じて……猫の癒し効果で彩花さんの母性本能を……って、なんで俺は自分を実験動物にしてるんだ!」
悠真はポケットから猫耳を取り出し、恐る恐る頭に装着した。
ピンクの猫耳が悠真の頭で揺れている。
ゼミ室が静まり返った。
「……え?」
彩花が目を丸くした。
「悠真、それ……猫耳?」
他の学生たちもざわめき始めた。
「何あれ、コスプレ?」
「悠真、ついにアニオタデビューか」
「前は坊主、今度は猫……何のコレクション?」
悠真(心の中):「うわああああ!みんなの視線が痛い!でも今更外せない……このまま猫として生きるしかない……」
『緊急分析:予想外の反応です。戦略修正が必要』
ゼミの教授が入ってきた。
「今日のテーマは動物心理学ですが……小野寺くん、なぜ猫耳を?」
悠真(心の中):「教授まで!しかも今日のテーマが動物心理学って偶然すぎる!これ運命?それとも呪い?」
「あ、あの……動物心理学を体感的に理解するために……」
「なるほど!素晴らしい着眼点ですね。では小野寺くんに猫の心理について発表してもらいましょう」
悠真(心の中):「発表って!猫耳つけたまま学術発表?これもう学会レベルの羞恥プレイじゃん!」
でも彩花が小さく手を叩いて笑った。
「面白〜い♪ 悠真くん、意外と可愛いかも」
悠真(心の中):「可愛いって言った!彩花さんが俺を可愛いって!猫耳効果?動物心理学すげー!」
『分析:対象の好感度に変化。ただし『可愛い』は恋愛対象としてではない可能性』
悠真(心の中):「恋愛対象じゃないって!?ペット枠?俺、彩花さんのペットになっちゃったの?それはそれで……いや、何考えてるんだ俺!」
結局、悠真は猫耳をつけたまま「猫の社会性について」発表することになった。
『次回v1.3では「デジタル心理学システム」を搭載予定』
『SNS分析機能で、より精密なアプローチが可能になります』
悠真(心の中):「SNS分析って……今度は何をさせられるんだ……」
発表を終えた悠真に、彩花が近づいてきた。
「お疲れさま♪ 猫耳似合ってたよ。でも、もう外していいんじゃない?」
優しく言ってくれる彩花。
悠真(心の中):「やっぱり彼女は優しいな……俺の変な行動にも付き合ってくれて……」
『分析結果:好感度55%(+10%上昇)』
『しかし恋愛対象度は35%(微減)』
悠真(心の中):「恋愛対象度が下がった!?俺、可愛いペット枠に降格?次はどうする……」
猫耳を外しながら、悠真は複雑な気持ちだった。
💡 第3話の心理学ネタ
- 動物心理学: 動物の行動と人間の心理の関係
- 色彩心理学: クリーム色=安らぎ・温かさ
- 母性本能: 猫の鳴き声と赤ちゃんの泣き声の周波数
- 癒し効果: 動物が人間に与える心理的影響
🎭 次話予告
第4話「CUPID β v1.3 SNS改ざん作戦」- 今度はライバルのアカウントをハックして大ピンチ?
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