ものに名前をつけることで魔力と引き換えにとんでもアイテムをつくることができる『名付け親』という謎のジョブ。
タイトルの通りただの木の枝が主人公の手にかかれば、一瞬で伝説の剣の性能を持った木の枝に変わるわけです。
主人公はこの特殊エンチャントみたいな技を駆使しながら、自身のランクに似合わない強敵を倒していくわけですが、戦闘は割とロジカルめで、観察やアイテムを用いてモンスターの弱点を探りながら効果的に倒していきます。
実戦と実用で高めていく謎のジョブへの理解度、初心者探索者らしい足りない勇気と葛藤を、柔らかでラフな心情描写によって表現されており、主人公の行動と内面のリンク感の高さが魅力的でした。
また、主人公を取り巻く個性的なキャラクターたちとのやりとり、学生としての立場を活用したダンジョン外での活動など。
ドラマ的な部分が物語の展開を楽しむ上で、微笑ましく魅力的に描かれています。
特に相棒的ポジションでありながら狐耳・巫女服・男の娘と属性モリモリなミカン君に対する主人公の評価や感情が伺える部分が好きでした。
是非、『名付け親』が作り出すスケールの大きさと堅実な部分をお楽しみください。
素晴らしい作品をありがとうございました。