カーテンコールは開かない
影山 みはつ
第1話 私
私は、野木崎 佳奈。
このお店、万華鏡の娘。
おばあさんが出て来て「佳奈ちゃん。最近どう?」とこのお店の売り上げを心配して来てくれて居た。
佳奈は「いいえ。このお店は亡くなった祖母の形見なので如何にもこうにもお店は建て直せませんよ」と少し呆れて居た。
おばあさんが「じゃ、何とか、このお店を切り盛り出来る人は居ないかしら?」と辺りを見回して居た。
佳奈は「おばあさん、ありがとうございます。でも、このお店をご贔屓にして下さるお客様もいらっしゃいますから」と笑顔で答えた。
そのおばあさんの後ろに立って居たのは、まだ若い男の菅原辰馬が居た。
辰馬が「これ頂戴」と飴とガムを手渡した。
佳奈が「はい、ありがとうございます。二百二十円になります」と会計をして、白い袋に入れ辰馬に渡した。
辰馬が突然「このお店無くなるの?」と訊ねて来た。
佳奈は「それはよく分かりませんが、このお店を必要としてくれる方が居れば、このお店を続けようとは思いますよ」と辰馬に伝えた。
辰馬が「そうか。でも、僅かながらに古い建物で黒い屋根は昔風で僕は好きだけどね」と爽やかな笑顔を見せた。
佳奈におばあさんが「ね?あの子、どの家の子かしら?」と訊ねて来たので、佳奈が「あまり見かけ無い顔ですね?」と佳奈が話し掛けた。
おばあさんが「そう?何だかハンサムでカッコよかったわね?」と佳奈に声を掛けた。
佳奈は「確かに容姿は申し分ないけど、カッコよくも無ければ普通だと思うけど」と心の中で辰馬の事を想って居た。
佳奈は最近、キュンとすることもなく恋なんてあまりした事が無かった。
佳奈はおばあさんから「あぁ言う男の人の方が良いんじゃないの?」と聞かれて、佳奈は「辞めてくださいよ?あんな人タイプじゃ無いですから」とおばあさんに返事を返した。
おばあさんが「そうかい?あれ、お似合いだと想ったんだけどね」と変にニヤけていた。
友達が「佳奈。今日さ、一緒に本屋さん行かない?」と声を掛けられて佳奈が「良いよ。行こうか」と言いお店の鍵を閉めた。
佳奈の万華鏡に「少し席を外します」と書いた張り紙を玄関に貼った。
佳奈は友達と本屋さんがあって、イベント時なのか出店も出ていた。
その頃、万華鏡が閉まって居たのか辰馬が「くそっ、閉まって居るのか?うちのばあちゃんに豆腐を買って行ってやろうと思ったのに」と心の中でせいていた。
佳奈が友達と「この本、楽しいよね?」と話をしていた。
万華鏡に向かって帰って行く頃、辰馬が「何で帰って来ないんだ?僕はばあちゃんの豆腐を買って行こうと思っていた所で閉まってた」と言う手紙がお店の前に貼ってあった。
佳奈が「あら?私が出掛けて居る前に、あの辰馬ってお客さんが来ていたんだ」と焦って辺りを見回したが誰も居なかった。
佳奈は、仕方ない。今度から出かけて何分掛かるか時間も書いとかないとなと今回の事を教訓にしてお店を閉める事にした。
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