虹
放課後…
松島さんにバレないようにこっそりと下駄箱に向かっていると、「待ちなさい小堀優!」っと遠くから声を上げて走ってくるのが見えた。「何なんですかあなたは!」僕も大きな声を出した。「後で話し合うって言ったじゃない!」息を切らしながら近づいて来た、「知りませんよそんなこと誰だって雨は嫌いでしょ!」怒鳴りながら逃げ出した。闇雲にただ逃げることだけを考え走っていると「待ちなさいよ!」っと後ろから松島さんが追いかけてきた、僕は体力が無くなっていき段々と足が遅くなっていった。公園の目の前で追い付かれてしまいリュックを捕まれた、その時に松島さんは言った「私は雨が好きだよ!」それを聞いた僕は足を止めた。疲れながらも質問した「なんで雨が好きなの?」松島さんはよくぞ聞いてくれたというばかりに笑顔を浮かべながら話した「雨が降った後は虹が見えるからよ!」それを聞いた僕は開いた口が閉じなかった。虹なんてたまにしか見えないのにどうして?と思ってしまった。松島さんの話すスピードは早くなっていった。「虹は雨が降らないと見れない、だから雨が好き!他にも雨の時にしか味わえないものがあるのよ!」僕の思考が停止した、そんな中僕は聞いた「雨の時にしか味わえない物ってなんだよ‥」ぼそっと呟いた。松島さんはまた嬉しそうに話した「雨の匂い、水の滴る音、たまに見れる虹、雨の時しかないものはいっぱいあるんだよ!」っとまるで博士のように語った、それでも納得いかない僕はブランコに音を立てるように座った。「松島さんの意見は一様聞いとくよ、でも僕は雨が嫌い‥」ため息を吐くように言った、松島さんもブランコに座り込み聞いてきた「雨が嫌いな理由詳しく教えてよ」僕は足元を見ながら答えた「嫌いなものは嫌いだ、それだけだよ」僕はブランコの棒を掴んだ
雨のせいで少し湿っているのが手に伝わった。
松島さんはため息をついた後に言った「もういいやー疲れたし、走ってお腹減ったし聞くのやーめた」僕はやっと諦めたかと思いほっとした。すると突然松島さんはブランコを漕ぎながら言った「ねぇ、私達友達になろ!」いきなりの言葉にビックリした、でも答えはすぐに出た「友達なんて作るだけ無駄だ!」僕は声を上げて言ったそれを聞いて松島さんは怒った顔をしたながら僕の声に負けない位の声で言った「なんでよ!せっかく友達になろうと思ったのに!」松島さんの怒鳴り声が公園全体に広がった僕はその場が居るの嫌になりまた走りだし家に帰った。その時の松島さんは怒った顔の中にどこか悲しい表情が見えた、帰ってる途中ものすごく胸が苦しかった。僕は酷いことを言ってしまったと自分を責めながら走った。
僕は泣きそうな気持ちを抑えながら走っているとポツンっと後ろから雨が降り始めてきた。
あぁまた雨か‥僕の変わりに泣いといてくれ‥
僕は友達なんていらない…友達なんて作るだけ無駄なんだ…
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