友達
家に帰り僕は自分の部屋に行き踞った。
僕は…僕は友達なんて…
昔の記憶が頭の中で蘇る。小学生のとき僕は友達と活発的に遊ぶ方だった学校が終われば公園に行き、日が暮れるまで遊んだ。一緒に遊んでいる子は、幼馴染みの瀬野薫という男の子だ、薫くんはいつも元気でとにかく声が大きい、クラスのみんなからも頼りにされるくらいの人気者だ。
そんな薫くんと遊ぶ事は自分にとって一番好きなことだった、ある日いつものように公園で遊ぶ約束をした。いつもは薫の方が公園に着くのが早いのに今日は僕が一番乗りだった、一番乗りだった僕は薫くんに勝ったことがとても嬉しくてベンチに座りながらニコニコ笑っていた。
しばらくすると雨が降ってきたそれでも僕はずっと待っていた10分…30分と僕は待っていた、我慢の限界が来た僕は家に帰った。家に帰るとお母さんが慌てた顔をして僕のところに来た。「優ちゃん、落ち着いて聞いてね薫くんが事故にあっちゃったのだから今すぐ病院に行くわよ!」それを聞いた僕は顔が真っ青になった、僕の肩を掴んでいるお母さんの手はとても震えていてその震えが全身に伝わるように僕の体も震えていた。病院に着くと薫くんの両親がお医者さんと話してるのが見えた、薫くんの両親は涙をボロボロと流していた、薫くんのお母さんが僕のところに来て話しかけてきた。「優くんごめんね、薫はもう優くんとは遊べないの…」僕はその話が全く理解できなかった。僕はお母さんに説明してと頼んだ、するとお母さんは大きく呼吸をしたあと一言だけ話した。「薫くんは死んじゃったのよ…」っと僕はやっと内容を理解した。後々知ったのだが、どうやら薫くんは公園に向かっている途中に雨が降ってきて、視界が悪い車にぶつかりそのまま引きずられたらしい、薫くんは車に引きずられ、体はボロボロ、血は数メートル続いていたそうだ。薫くんが死んだことを受け入れられず僕は病院の外へと走っていた。外へ出た瞬間僕は心の底から泣いた、ものすごい雨で涙を流しているのを書き消していった。なんでだよ薫くん…僕と一緒に遊ぼうよ…
そんな言葉しか頭になかった。それから数年後、僕は高校生になった。小学生の時とは正反対で友達とも遊ばず笑顔も見せなくなった。あの日から僕は雨が嫌いになった雨のせいで薫くんは事故にあったんだと僕はずっと心の中で雨を恨んでいた。
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空は僕の変わりに涙する YUMA @Yuma17
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