第22話

工業プラントミトラに無事に到着し依頼料をマーダス達から受け取る。

「今回は本当に助かりました」

「いえ。無事に到着できてよかったです」

「被弾されたようですが大丈夫ですか?」

「はい。幸い被害は軽微でしたので」

「それはよかったです。追加の報酬を渡したいところですが・・・」

「いえいえ。被弾したのはこちらのミスですので」

アラタはそう言って追加の支払いを拒否する。

「そうですか・・・。また、機会があれば依頼しますので」

「はい。その時はよろしくお願いします」

アラタは通信を切ると修理の為に自身の操るステラをドックに入港させる。

「ナナ。修理の依頼ってどうすればいいかな?」

「ミトラにもスター造船会社の支部があるから手続きしておくね」

「そうなんだ。悪いけどお願い」

修理についてはナナに任せておけば問題ないようだ。

「はい。手続き終了。今、人を送るって」

「了解」

しばらく待っていると担当者がやってくる。

「こんにちわ。スター造船会社のアステルダムです」

「アラタです。お世話になります」

「被害状況を確認しますのでしばらくお待ちください」

しばらく待っていると状況確認が終わったのだろう連絡が入る。

「被害は軽微ですね。修理には1日ほどいただきます」

「そうですか・・・」

1日というのは早いのか遅いのか悩むところだ。

「それで費用ですが100万クレジットほどかかります」

「わかりました。振り込んでおきますね」

アラタはそう言って端末を操作して振り込み作業を完了させる。

「はい。確かに受け取りました。すぐに作業に入らせていただきます」

「よろしくお願いします」

手続きを完了しアラタはこの後、どうするか考える。

そこにナナから注意される。

「ログイン状態で1日経たないと修理は終わらないからね」

「そうなんだ。その間、どうしよう」

「どうせならミトラを見てまわったら?」

「ミトラを?」

「うん。アラタって船から降りたことほとんどないでしょ?」

考えてみればゲームをはじめて最初にはじまりのコロニーを移動した以外は船から降りたことがなかった。

「コロニーとかも作り込んであるから楽しんできてね」

「そうだったんだ。それじゃ、ちょっと行ってくるね」

アラタは下船してミトラを探索することにした。

ミトラの内部はナナの言った通りかなり作り込まれており未知の景色に圧倒される。

目的などは特にないが、適当にぶらぶらするだけでもかなり楽しめそうだ。

そんなことを考えていると端末にメッセージが送られてきた。

メッセージの送信者は運営となっていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る