善行パーティ「タメナラ!」~15才で死ぬなんて絶対回避!~
国府春学
第1話 15の誕生日はコワイ。
十五歳になったら、何かとてつもなくいいことが起こる。
運命の出会いをしちゃうとか、街でスカウトされちゃうとか、人生を大きく変えるような、すてきな出来事がある気がする。
何の根拠もないのに、シスカは、十四歳の誕生日を迎える今日まで、信じ続けてきた。もともとちょっと幼くて、ロマンティストなところがあったから、「そんなわけないだろ」って否定されても、ちっともめげずにこられたのだ。
五月五日生まれなので、誕生日は毎年ゴールデンウィークと重なるし、友達を大勢呼んで盛大にパーティして、大満足で一日を終えることができた。
ベッドに座って、ライトブラウンの髪をとかし、もらったプレゼントをひとつひとつながめて過ごす。前から欲しいと思っていた、青いカタツムリのキャラクターのぬいぐるみ
を抱いて、あおむけに寝転がった。
「こんなおっきいのくれるなんて、ふとっぱらだよね」
誰からなのか、カードがついてないからわからないけど、今日来てくれた中の誰かだろう。
シスカのお父さんが大きな会社の社長なので、社員の子どもたちもたくさん招いていたのだ。シスカは可愛いけれどちょっぴり気が強いから、そこそこのつきあいはできても、本当の「親友」はまだいない。
ぬいぐるみが欲しかったのだって、一人でいるときがさびしいから、気を紛らわせるためだ。特にこの、ちょっと凶悪な顔をしたカタツムリ・ハデスちゃんは、毒舌なところが自分に少し似ているような気がしたし。
「これからいっぱい、私のお話聞いてね」
十四になったばかりとは思えない子どもっぽい仕草で、カタツムリのハデスの口の辺りにキスしたら、予想外のリアクションが返ってきた。
「こぉらぁ!」
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