第4話 連休明けの放課後
どうもーす、いっ君さんです。
ゴールデンウィークが終了し、遠峰家は実家に帰って行き、今日から再び學園での生活が始まった訳なんですが…
――嗚呼…五月病かな…學園に行きたくねぇ…
そう。
連休明けと言う事もあって、朝からやる気が出ねぇ…
行きたくねぇ…と思いながら電車に揺られ、しぶしぶ通学している訳だが、もう少し休みが欲しいと思ってしまう今日この頃。
駅に到着し、駅横のコンビニでレッドブルを購入し、コンビニを出た所で生命線と成り得るブツを飲み、翼を授ける事で覚醒する。
――あーやっぱこれがねぇ〜とやってらねぇわ。
生き返るぅ!!
さて、エネルギーをチャージした所でバスが来ていたので急いで乗って聖嶺學園へと向かった。
〜移動中なう〜
さて。
聖嶺學園に到着した俺は知り合いがまだ来ていなかったので、廊下に出て暇を潰せそうな事は無いかと探していた。
すると、肩を軽く叩かれたので其方に顔を向けると――
「おはよ〜♪」
可愛らしい笑みを浮かべた天宮さんが手を振っていた。
俺が手を振り返し、ハイタッチすると「少し話があるんだけど…」と人通りの邪魔では無い所に移動してから話し始めた。
「それで話って何だ?」
「えっとね…近々眞希ちゃんの誕生日だと思うんだけど」
「あーそう言えばそうだったな」
5月に入って少し経った頃に望月眞希の誕生日がある。
因みに天宮さんは4月、眞希は5月と女性陣の誕生日が続けてあるのでそれとなく覚えていた。
「それで誕生日プレゼントを決めかねていてね…今日って短縮授業だから帰りが早いと思うし、良ければ一緒に行けないかなって…」
「どう…かな?」と上目遣いで言われ、俺は少し考える。
そう言えば俺もまだ候補はあったが、決めかねていたなと思い出す。
天宮さんの意見を聞きつつ、決めるのは悪く無いと思った俺は肯定した。
「おう、俺で良ければ良いぞ。あ、彰人も誘って良いか?アイツも多分まだな気がするし」
実際は天宮さん程の隠れ美少女と二人きりの状況がヤバいのだ。このまま行くと放課後デートになる気がして共通の知り合いを誘って見るのを提案してみた。
「藤澤君?うん、藤澤君なら面識もあるから大丈夫だよ」
と、天宮さんは答えてくれた。
ヨシ、これで二人きりの状況を何とか打破出来たぞ!
「それじゃあ後で彰人の奴に声を掛けとくわ」
「うん。お願いします!じゃあまた放課後に!」
「おう」
そう言って天宮さんと別れ、俺は教室に戻った。
1年C組に戻ると廣仁と朔夜が来ており、「おはよー」と挨拶して暫く駄弁っていると、慌てた様子で彰人が教室に入って来た。
それから前園先生が姿を現していつも通りの日常が始まった。
一校時目〜四校時目までは現国や数学、英語やらをして昼食時間となった所で俺は彰人に声を掛けた。
「よう、少し良いか?」
「……授業で記憶するだけで頭を使って痛い…んで何?」
彰人は明らかに疲弊したようだった。
授業に追い付くだけで此処まで疲れるかな?とも思ったが、今はそんな事は置いといて、食堂に行きながら用件を済ませる。
「いや、今日の放課後って時間あるかなって」
「あー今日は短縮だからって話?んーっと確か大丈夫だった気がするが…それがどうかした?」
俺は天宮さんの話を彰人に伝えた。
すると彰人は目の色を変えて「絶対行く」と言ったので良かった。
にしても目の色を変えるとか彰人の奴、どうしたんだろうか?
※因みに食堂のメニューはカレーライスとサラダのセットでした。
※ ※ ※ ※ ※
〜放課後〜
今日は授業短縮で五校時目に終わり、校門前で天宮さんと待ち合わせする事になっている。
既に俺と彰人は早く解散した為、女性を待たせる事は無く、寧ろ余裕を持って出られたまであった。
「いや〜今日は体育無くて良かったわ…連休明けはキツイからな」
「……どうやら明日はあるみたいだし、また保健室行きか?笑」
「俺を保健室の常連みたいに言わないでくれたまえ…」
行きたくて行っている訳では無いのだがな…
気付いたら保健室で寝ているだけで、寧ろ運動音痴の俺が体育に参加しているだけでも褒めて欲しいものだ。
などと内心、下らない事を思っていると…
「二人とも…はぁ…はぁ…お待たせして…御免な…さい…!」
帰りのホールルームが終わった天宮さんが急いでこっちに来た。
少し急いでいたのか、息が絶え絶えで少し喘いでいるみたいで“少しエロい”と思った俺の煩悩は黙っていて欲しい。
「いや、俺達も終わったばかりだからゆっくりで大丈夫だよ」
「そ、そう?なら良いんだけど…はぁ…はぁ…ふぅ〜」
少しして天宮さんが回復して落ち着いたのを見計らい、俺達は駅近くのショッピングモールに行く事にした。
「それで望月さんの誕生日プレゼントで選ぶ物って決まってるの?俺ってどれを選んだら良いのか分からなくて困ってるんだけど」
「俺もまあ、少し候補はあるんだけど決め兼ねているんだよな」
男性陣は女友達に贈る誕生日プレゼントをどうするか考えている中、天宮さんは「私も候補はあるんだけどね…」と言いつつ、
「何か困ったら私に聞いてくれて良いから!こう見えて私だって女子だから何でも聞いてくれて良いからね!」
「おお、有り難い。ならショッピングモールに着いたら是非とも宜しく頼みます」
「ふふ〜ん!お姉さんに任せておきなさい!」
――天宮さん、確か同級生ですよね?などと思ったが、ドヤ顔が可愛いかったので心の中に留めておいた。
暫く雑談しながらバスで移動し、聖嶺駅前に到着するとそのまま横断してショッピングモールの方向に進み中へ入って行く。
そうして目的の店舗に入るとプレゼントを選ぶ。
「ネット検索した限りだとプレゼントにも意味があるらしいから、そう言ったのも調べたほうが良さそうか?」
「うーん、そうだね。人にもよるけど余り気にしない人もいれば、気にする人も居るからそれとなくで良いんじゃないかな?」
「意外と難しいんだよね…」
天宮さんはともかく、男性陣の俺達はコスメなど詳しく無いので天宮さんに色々教えて貰いながら良い物が無いかを探し始める。
本当に様々な種類があり、どれも良さげな気がするが、天宮さん曰く一つ一つが違うとの事らしく、イマイチ良さげな物が来ない。
しかし、天宮さんはその中から良さげなピンクで花柄のコスメを手に取り、色々確認した後にそれに決めたようだ。
「んーと、別にクッキーとかでも良いのか。意味も調べた上でしっかりすれば行けるな…」
彰人は気軽に手渡せるクッキーなどのお菓子に決めたようだ。
さて、残るは俺だけになった訳だが…
「なあ、天宮さん。――って行けそう?」
俺はある物を手に取り、天宮さんに確認を取った。
「ええ!?うーん…調べた感じ友達としての意味なら大丈夫だと思うよ…けどそれならメッセージも添えれば良いんじゃないかな?」
「成る程な…うん。これにしよう」
こうして俺達は眞希の誕生日プレゼントを無事に決める事が出来た。
「少し時間が掛かるかと思ったが、意外とスムーズに行ったな。これも天宮さんが居てくれたお陰だな。正直助かりました」
「え?い、いえ役に立てたのならお互い様では無いでしょうか!」
「君達、何で敬語なの?」
「「う、うーん…それと無く?」」
と、シンクロする二人を見て俺は息がピッタリだなと思った。
その後は珈琲店で軽く雑談をした後、解散する事となった。
「それじゃあ今日は有難う。当日は成功してやろうぜ!」
「「おー!」」
そうして俺達は眞希の誕生日パーティーを無事に成功を目指して一致団結するのだった。
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