第じゅういち話 からあげとにんじん
(自転車の走行音)シャァーーーー、シャッ、シャッ、シャァーーーー
「住宅地を抜けるこの道はぁ!」
「自動車がスピードを出しすぎないようにぃ!」
「シケインが作ってあるからぁ!」
「自転車には快適、この上ないね!」
【
大声で、みんなに聞こえるように話しながら走る。】
「あーぁーあれあれ!」
【今度は、何か見つけたのか?
道路わきの一点を指さしながら走っている。】
「あ!」
【あたしも見つけたよ。】
「きっと、この道、中山道だ!」
【うれしそうな
アカデミックになって来たよ。】
【そうか、さっきまで走っていた、
怖かった国道の旧道の、さらに旧道。
江戸時代から残されているような、石の
【街道から外れたところにある、コンビニで休憩することになった。
まだ10キロほどしか走っていないけど、お腹ぺこぺこ。】
(コンビニの入り口の音)ピロピローーーーン
「おにぎりとかサンドイッチとか、軽く食べておくといいよ。」
【
【こんなにおいしい鮭おにぎりは、初めてだ!
どこにでもあるコンビニおにぎりなのに。】
「
【
しかも2セット。】
「
「なんだそれ、意味わかってるのか?」
「、、、ん、ん、実はよく知らない。なんとなくかっこいいでしょ。」
「なんだ、それ!笑える。」
「あんたたち、バカね。」
一同
「ハハッハハハハハ!」
【まだまだ、みんな元気ね。】
【住宅地が途切れると、
今度は畑の中の一本道。
地平線が見えるかのような、広く視界が開けた空間。
なんだか、地球が丸いのが見えるかのよう。
青空には雲一つない。
濃い緑の葉っぱの作物は、何だろう?】
「にんじん畑だ。」
「春ニンジンの葉っぱは、おひたしにするとおいしいのよ。」
【
おばあちゃんに教えてもらったのかな。】
「すごく
「僕、苦手。」
「それがおいしいんじゃない。大人の味よ。」
「大人じゃなくて、いいよ。」
【にんじん畑を過ぎると、いよいよ大河を渡る。
自転車で県境を渡るんだ。】
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