虚構の肖像

@mokone471

第1話   朧げ

生きてるか・・

死んでるのかもわからん・・

ただ・・

憶えてるのはあいつの顔


自分に気づく時刻・・・・

キッチンへ・・・・

スポットライトの中・・・・・・。

タバコ・・・火をつけた。

薄い紫煙・・・・宙を舞う・・・・

心細さ。

焦慮。

自暴自棄。

煙なんて何も解決してくれない・・・・・

でもいつの間にかこれに逃避してる自分・・・・

敬虔な思い・・・残忍な思い・・・・

頭の中で縺れては消えていく。

後は・・・・?。

自問自答。

自分を責めて・・・・。

自分を知り・・・・。

時だけが過ぎていくのを知る・・・・。

毎日のこと・・・・。

何時ものように救いを求める自分が狭い部屋の中・・・・・

分かっている・・・・・

・・・・誰も答えちゃくれないんだからな

時計2時・・・・・

いつもの口癖・・・・


「ショボイ人生・・・・。」


人差し指と中指の間のタバコがいつの間にか灰になって消えている。

触ってもそっけないほど手触りも熱もない。

睡魔に気がついて・・・眠い足取りで寝床・・・




・・・・狭い窓から朝の日がさしてた



いつもとかわりない・・・・ショボイ始まり

何の希望もない俺・・・

陽の光・・・疎ましい・・・・・

寝床から降りる・・・

10時をさしている目覚まし時計を見ながら部屋を出た。

狭いキッチンが洗面所・・・・。

顔を洗って薄汚れた窓から外を眺める。


人通りも少ない廃ビル街の光景なんて見ても仕方ない

この日課がいつもの始まり・・・・


テーブルの上の電話に手を伸ばした。

仕事のメールは届いてない・・・・。

取立ての仕事の口が届くならまだいいほう・・・・

その仕事は一月前から届いても居ないので期待もしてないけどな・・・・。

ジリ貧生活には慣れた・・・・

だが金は要る・・・(-_-;)

テーブルの上の新聞紙の中にあった100$をポケットにねじ込む・・・・。

コレが最後の軍資金になっちまうかも・・・・?

くたびれた皮コート・・・・

リボルバーの重みで正気に戻るオレ・・・

羽織ると半ば壊れてるドア開けて外に・・・・



腐ったビルから流れ出る俺・・


汚れた道 歩道のゴミ山 


雨埃、炎天の果てに老いぼれ果てたビル街


殆ど誰も住んじゃいない・・・


終ったな・・・俺も終わりかけてる


皮コートから煙草 


煙を燻らし


濡れたアスファルト鳴らして歩く


仲間を探しに・・・

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