第2話連絡不精の可愛い男
(※この作品はフィクションです。実在の人物・団体とは一切関係ありません。)
紹介だからうまくいく──そう思うかもしれないが、そう簡単じゃない。
なんて言ったって、二十九歳の年下で、俳優の喜多野匠と鈴森央司を足して二で割ったような顔立ちなのだ。
(わかる人にはわかる、あの透明感と柔らかさ。)
すらっとしていて、センスも悪くない。
この見た目、この爽やかさで、今まで彼女がいないチェリーボーイだなんて──どう考えてもどこか拗らせているに違いない。
しかも、エリートの中高を抜けて有名大学、そして院まで出ている。
うまくいかなかった理由が、ないはずがない。
かくいう私も、人のことは言えない。
見た目は並以上、色白で身長もある。
ただし──私はとんでもないメンヘラである。
「二、三日。せいぜい一週間空くくらいだろう?」
それくらいなら待てるって?
お嬢さん──甘い。
彼の場合は、一か月から二か月。
予定の把握がずれれば、そこからさらに一か月、平気で先送りになる。
あのときは、本当に心が折れるかと思った。
この連絡不精っぷりに、私のメンヘラ気質が混ざれば──化学反応を起こすだろう。
下手をすれば、そこら一帯をまるごと一・二キロ吹っ飛ばしてしまうかもしれない。
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