3話 自称神のいも虫!?


あれから2週間がたっただろうか?三人は呪いのことなんてすっかり忘れていた。


給食の時、小魚がスプーンを手にとって食べようとしていた時になんと妖精のような高く、かわいい声がスプーンから聞こえてきた。


「…………うん?え?え?や、やめるむし!たべるなむし!僕は神だぞ!お前はその神をたべるむしか⁉」


小魚がスプーンに目を落とすと、短く、かわいい足が四本ついたいもむしが立っていた。そして、口をあんぐり開けていった。


「え?え?え?なんでいも虫?ぼくの幻覚?」


「幻覚じゃないむし!」


「ふぁ??てかなんでしゃべってんの?いも虫が神ってどゆこと?。」


「んんんああああああああーーーー!むし」


「wwwwwwwwwwwwwwwwwww急に大発狂は草。最後に むし って言うのもさらに草w」


「うるさいむし!」


「いろいろ説明してくれよ」


「わかったむし。いつものように楽しく散歩していたらどこからか美味しそうなにおいがしたむし。匂いをたどっていってたどり着いたのは銀色のへんな入れ物むし。中に入って2口くらい食べたらなんかすんごい硬いのが歯にあたって、まあいいやと思ってのみこんだむし」


「バカなんかな?こいつ」


「うるさいむし!そしたら気を失って、あとは知ってのとうりむし。」


「ふーん。そのかたいのってもしかして鍋?」


「しらんむし」


「ふ、ふーん。で、なんで神を名乗ってんの?」


「………神だからむし。」


こいつ…いきりキッズ?


「あ、そういえば君の名前は?」


「ぼくは、『ムッシー』むし。」


神じゃないんだw。


「ほーん。んじゃ、ムッシーバイバイ。」


「軽くない?まあ、バイバイむし。」


そしてムッシーが5、6歩歩いた時ものすごい音が聞こえてきた。


むしゃむしゃ、がつがつ、くちゃくちゃ、むしゃむしゃ、がつがつ、くちゃくちゃ。小魚が給食を食べる音だ。そしてあっという間にたいらげた。


「まだまだおかわり~!」


と言ってもともとあった2倍くらいの量をおかわりして席に戻ってきた。そしてまた、むしゃむしゃ、がつがつ、くちゃくちゃ、むしゃむしゃ、がつがつ、くちゃくちゃ。


「まだまだおかわり~!」


………を3回くらい繰り返した。そしてやっとおなかいっぱいになった。ああ!バイキングなのにほとんどが小魚にたべられてしまった~!


「ふう。お腹いっぱい!」


「あ、あ、あ、」


と言いながら呆然と見つめていたムッシーだが、ハッとして小魚に言った。


「そ、その食欲いいむし!惚れたむし!同行させてくれむし!」


「え、う、うん、まあいいけど特に面白いことはないよ?」


「全然いいむし」


「んじゃあよろしくムッシー。あ、そうそう、僕は小魚。」


「よろしくむし!小魚!」




「って感じで同行することになりましたとさ。おしまい」


と、給食後の宝魚と雷魚に小魚はドヤ顔で言った。


宝魚は、目を細めながら言った。


「こいつ、迷惑にならないか?神とか名乗っててすんごいめんどくさそうな、いきりキッズみたいだけど。」


「はあ?だまれむしー!」


「なんだって?ペチャクチャペチャクチャペチャクチャペチャクチャペチャクチャペチャクチャ」


「うるさいむし!ペチャクチャペチャクチャペチャクチャペチャクチャペチャクチャペチャクチャ」


「うーるさーい!!!」


雷魚の大声が響いた。


そして次の日、ロッド先生が


「今日は君たち、新高一年生に、『戦闘タイプ』を覚えてもらう。戦闘タイプとは、ペチャクチャペチャクチャペチャクチャ(前にフェイブ先生に教えてもらったので省きます。もちろん読者のみなさんは、おぼえてますよね???)というものだ。君たちに覚えてもらう戦闘タイプは、『魔術師(まじゅつし)』、『特殊魔術師(とくしゅまじゅつし)』、『魔剣士(まけんし)』、『剣士(けんし)』、『飛撃魔術師(ひげきまじゅつし)』の5つだ。どれか選んでフェイブ先生のところに行け。」


と言った。そしてフェイブ先生のほうを見ると、すんごく眠そうな顔をしていた。大丈夫かな?と、みんな心配したが、無事に戦闘タイプを全員が覚えることができた。それぞれ、雷魚は、魔術師。小魚と中魚は、特殊魔術師。宝魚は、魔剣士。竜魚は、飛撃魔術師を選んだ。そしてムッシーが小魚の肩から言った。


「小魚、特殊魔術師を選ぶとはセンスがいいむしね。」


「ソーナン…」


「それ以上はダメむし。」


そしてその日一日戦闘タイプの授業をした。そして放課後ロッド先生が


「明日は今日学んだことを生かして戦闘タイプを使えるか、生徒たちに実戦をしてもらう。」


「えええええええええ~~~~!!!!!」


クラスのみんなが騒ぎ出した。


「ちなみに!優勝した人は、魔法使いには欠かせない『魔導書』をさずける。」


とロッド先生が言うとみんなやる気を出し始めた。ちょろくね?


そしてみんな帰っていった。雷魚が


「いやぁ、実戦ってさすがに早すぎでしょ。ケガしても問題ないってこと?」


小魚が言った。


「でも一応防御魔法も習ったけど…やっぱ怖いわ」


するとムッシーがひょこっと出てきていった。


「なにびびってるむしか?」


「いやそりゃビビるでしょ」


と小魚はいった。


「なら、修行むし!」


「修行って今からしても……」


と宝魚が言う前にムッシーがドヤ顔で言った。


「ふっふっふ。僕は一日です~ごい強くなれる厳しーーーい修行を知ってるけど?すーーーーごいつよくなれるんだぁ。やるむしぃ??」


三人は声をそろえて


「やりますやりますぅ!!」


といった。うーん三人もちょろいかも…


そして始まった地獄の修行。もう本当に地獄だった。山を10分で一周してこいやら、でかい石を投げるからよけろやら、めっちゃでかい岩を20mおせやら……修行が終わったころはもう夕方だった。


「よし、完璧むし。これで明日にはめっちゃ力がついてるむし。寝ると力がつく特殊な修行だからしっかり寝るむし。」


そして4人は荷物を持って合宿所に帰っていった。

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