第8話 国王からの召集
学院に響いた急報のあと、俺は気づけば馬車に揺られていた。
隣にはリディアとエレナ、そしてミナ。三人とも緊張した面持ちで沈黙している。
「……国王陛下がお呼びとは」リディアが小さくつぶやく。
「嫌な予感しかしないわね」エレナが眉をひそめる。
ミナは俺の袖を握り、今にも泣き出しそうだった。
馬車が城門をくぐり、石畳の音が高く響く。俺の胃のあたりも同じリズムでぎゅうっと縮んだ。
やがて謁見の間。豪華な玉座の上に、堂々と王冠を戴く国王。
その隣に、王女が不安げな表情で立っていた。
「――お前がユウか」
国王の低い声が広間を揺らす。
背筋を伸ばす間もなく、鋭い視線に射抜かれた。
「は、はいっ。俺はユウっていいます」
声が裏返り、王城に響いた。恥ずかしい。
国王は眉をひそめることもなく、ただ重く告げる。
「学院を襲った魔王軍を退けたのは事実か」
「え、えっと……気づいたら光が出て、敵が勝手に消えただけで……」
必死に否定する俺をよそに、王女が一歩前に進み出る。
その瞳は真剣で、潤んでいた。
「父上、間違いありません。ユウはこの国を救う人です」
「ちょっ、待って!? 俺はただの一般人で――」
言いかけると、リディアが俺の肩に手を置いた。
「ユウ様、どうかご安心を。私が必ずお守りします」
続いてエレナも頷く。
「そう。戦場に出るなら、私も共に行く」
ミナまで両手を握りしめて。
「……ユウを一人になんてさせない!」
いやいやいや、もう完全に戦う前提!? 俺の意見は!?
広間の空気が重くなる。国王が玉座から立ち上がり、堂々と宣言した。
「よかろう。――明日、お前を前線へ送る」
その言葉に、俺の頭は真っ白になった。
普通の一般人ライフ、完全終了のお知らせ。
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異世界好感度オーバーフロー MARC001 @MARC001
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