寝落ちしたら自称・死神のお姉さんに起こされ、地獄堕ちするらしいのに、段々と甘々な態度が強まってきて不可解です。(ASMR台本)
月日音
第1話 列車~自称・死神お姉さんと地獄行き~
//SE 列車がレールを踏む音(ガタンゴトン)に、鈴の音(チャリン)が二度だけ小さく混じる。続いて、蒸気機関の汽笛音(ポッポー)が一回
「ねぇ、そろそろ起きなよぉ。ねぇってば」//耳元で囁くように甘ったるく
「あ、起きたぁ。おはよぉ、って夜なんだけどね」//後半、苦笑気味に
「大丈夫? どこか、変な感じしたりしないかな?」
//SE 小さく鈴の音(チャリリン)
「うぁ、急に立ち上がってどーしたの?」
「え、膝枕されてたから? へぇ、恥ずかしかったんだぁ?」
「可愛かったのに、でも、そんなとこも……ん」//小声でつぶやくように
//SE 列車がレールを踏む音(ガタンゴトン)
「私も立ち上がっちゃおうっと……あ、そだ。なんでも聞いてね。たぶんだけど、今のこの状況、驚いてるよね?」//前半、少しわざとらしく距離感探りながらも近寄る感じで
「うん、やっぱり」//安堵に近い声音
「あー、ここがどこかって? 列車の中だよ、地獄行きの」
「え、私が誰かって。うーん、と、そうだねぇ、死神のお姉さん、かな?」//あいまいに
「……あぁ、うん、死神っていうのはね、なんだろ。よく分かんないや」//ごまかし笑い
「あー、そう、それ。その亡くなった人に地獄まで付き添うみたいな? そういうことしてるんだ」
「まぁ、うん、君は死んでるね」//気持ちを隠すように端的に
「あ、もしかして異世界転生とか期待されちゃってる? 私が異世界へ導く女神様的なのじゃないかってさ」//ちょっとテンション上がった口調
「ごめんだけど、そういうのじゃないからね。お姉さん、明らかにそういうキラキラしてる系じゃないでしょ。うん、ほんとそういうことできたら良かったのに、とも思うけど、できないんだ」//自嘲気味に少し落ち込んだ口調
「だからね、この列車が向かってるのは地獄なの……君はこれから地獄に堕ちちゃうの」
「やっぱりショックだよね……ん、あれ? 妙に落ち着いてると思ったら、固まっ……てる? って、おーい! まさか、魂、飛んじゃってないよね?」
「あ、良かった。抜け殻になっちゃってたら、ちょっと大変だし、焦ったよぉ」
「ん? ……んー、地獄がどういう場所か、ね」
「うーん、人によって違う、はず……だし、どんな言葉で言ってもずれちゃうんだけれどさ。でも、だいたいの人にとっては、簡単に洗い流せないような汚れをどうにか落とす場所って感じになることが多そうかな」
「うん、罪とか執着とか、恨み、恨まれ、とか、そういうのを丸ごと洗い流しちゃいましょうね~って、そんな感じ」
「ん、あー、罰を与えるっていうか苦しませる場所なのは、ん、傾向としては確かにありそうかも。洗濯物でも汚れを落とすのに生地を傷めちゃうことあるでしょ? あれとおんなじで、目をそむけたくなるような自分の姿とか行いとかに向き合うことで、魂が削れるような感じになっちゃうみたい」
「あーっと、そうだね。うん、そういう場所へ君はこれから堕ちてしまうんです。なんかごめん」
「どうにかならないか……そうだよね。それでね、その……君が私と――ん、ここから出る方法を探す? あーっと、今それを私も――え、あれは車両をつなぐ扉なんだけど――」
//どう伝えるかのためらいがあることで、話を切り出そうとした部分が小声となりすぎており、聞き返した部分しか声が届いていない
//SE 扉へ向かう足音とかすかに鈴の音、その後に扉を開く音
「そう、扉の先は何も見えなくて真っ暗だろうけど、入ってみれば分かるよ」
「え、ついてきてほしいって……うん、いいよ」//少し嬉しそうに
//SE 足音とかすかに鈴の音、しばらくして立ち止まる
「隣の車両へ行けず、さっきいた車両に戻っちゃうの。ループっていうんだっけ? そういうのみたい」
「今度はここで待てばいいの? うん、いいよ」//少し残念そうに
「いってらっしゃい」
//SE 先ほどより少し早い足音とかすかに鈴の音、その後に扉を開く音
//SE 少し早い足音
「おかえりなさい。え、扉がどうなってたか? うーん、よく見てなかった」
「うん、分かった。次は見てるね。いってらっしゃい」
//SE 先ほどよりさらに早い足音とかすかに鈴の音、その後に扉を開く音
//SE 早い足音
「おかえりなさい。君が扉をすり抜けてきたように見えたかな」
「うん、そだね。一度開いたはずの扉もいつの間にか再び現れてるし、扉はあってないようなものかも」
//SE 列車がレールを踏む音(ガタンゴトン)
「窓? 外は星空を飛んでるみたいになってるね」
「え、窓を割って……?」
「ダメってことはないよ。窓を割るのは止めない、でも窓から出ようとするのは絶対に止めるよ」
「だって、危ないから。たぶん扉とおんなじで出られないと思うんだけど、もしも落ちちゃったら時空のはざまとか、そんな感じのところでどうなっちゃうか全く分からないの」
// SE 鈴の音、(あなたが椅子に座る音)
「私も隣に座っていい? うん、ありがと」//囁くように
// SE (先ほどより小さい椅子に座る音or衣擦れの音、ほぼ聞こえないくらい)
「今どうしようもないのは、その通りなんだけれどね、君の気持ち次第で状況は変わるかもしれないの」
「あーっと、今はまだダメなの、たぶん。だから、まずは落ち着いてお姉さんとお喋りしない?」
「君が望むなら、また膝枕してあげよっか?」//耳元で囁く
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