第24話 悪用される『役目』
その日から、不良グループは頻繁にソフィアの元を訪れるようになった。昼休みや放課後、彼らは図書館や空き教室にソフィアを呼び出し、様々な「相談」を持ちかけた。
「おい、これ。どうやったらもっと威力が上がる?」
「次の授業で、魔法を成功させるにはどうすればいい?」
彼らの質問は、もはや純粋な学びへの欲求ではなかった。ソフィアの助言は、彼らにとって楽に成績を上げるための手段であり、魔法の制御を完璧にこなして『悪』をつけられないようにするための道具だった。ソフィアは、彼らの悪意に気づいていないかのように、ただひたすら淡々と彼らの問いに答えた。
「……魔力は、あなたの意志と共にある。もっと明確に、どうしたいかイメージしてみて」
ソフィアのアドバイスは、彼らの魔法を驚くほど上達させた。彼らは、ソフィアを利用して次々と課題をクリアし、教師たちの評価も上がっていく。彼らは、自分たちのやり方が成功したことに満足し、ソフィアをより強く支配しようとした。
「おい、監督生。明日の授業、俺たちが困らないように、今日中にアドバイス全部まとめておけよ」
「……わかった」
ソフィアは、何も言わずに頷いた。彼女の心には、何の感情も湧き上がらなかった。ただ、彼らの要求を「役目」として受け止め、ひたすらこなし続ける。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます