光を信仰する者②


「どうやって仲間を呼んだ?」

声に籠もった怒りと比例して胸ぐらを掴む力が強くなり、男は俺を睨む

「鏡だよ」

アルバスさんが代わりに答える

「反射光使ってモールス信号伝えたんだろ」

答え合わせをしろと言わんばかりに彼は俺を見る

「流石アルバスさん、分かっちゃうかぁ!」

ほんと彼が香水店に入っていてくれて良かったと心底感じる


アルバスさんは男へと目線を向けると

「こんな粗末な物しかねぇが⋯」

小型のナイフを取り出した

「そんな物で勝てるわけ⋯」

男は俺を放り投げ、口を開こうとした瞬間、男は右膝を床につける

「ぐぁァァ⋯!!」男が抑えている足からは血が流れ落ちており、アルバスさんはいつの間にか男の横に立っていた

「ルミナ⋯どうする?情報聞いてから内蔵売り捌くか?」


「いや、気絶させて情報を持ち帰らせよう」


「はぁ⋯じゃあ教会前に置いてくるわ」


アルバスさんはテキパキと男の口と身体が全体にガムテープを貼っていく

もちろん動けない大男たちにも、まぁ彼が男に一撃入れた後に大男の膝の関節を外していたから身体に貼る必要は無いのだが⋯


「ん~~⋯!ん〜!」


虫のように動いている男が実に滑稽なだ


アルバスさんはドアを開き、また深い溜息をついてから言った

「油断するんじゃないぞ、今回みたいにな」


「もちろん」


鈴の音が鳴り止み、再び席に座って思考を始める

男が使っていたのは光だった

教会が光を自由に扱えるのなら⋯使用方法が分かれば滞っていた研究が進み始める⋯


「教会へ行って、光の情報を掴む!」


っと⋯その前に

男が唱えていた言葉を口に出してみる

「光よ巡り、照らせ、眼前の敵を」

頭上に指を掲げ、指を鳴らす

⋯⋯何も起こらない

格好つけて鳴らしたのが仇になった

とても恥ずかしい、ここが寂れた喫茶店で良かったと初めて感じたよ

と⋯とにかく、これも調査が必要だな⋯


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