光を信仰する者

一瞬の静寂のあと

男は指を頭上に掲げ、口を開いた


「光よ巡り、照らせ、眼前の敵を」


⋯!

この言葉⋯聞いたことある⋯

確か教会の奴らが祈るときの⋯?

「何する気だ?」


男は目をもう片方の手で目を抑えると、掲げた指を鳴らした⋯その刹那、眩い光が発せられ、俺はその閃光を目にモロに食らう

「クッソ⋯なんだよコレ⋯」 

まずい⋯アイツはどこだ⋯!


「どこ向いてるんですかぁ?」


「かはっ⋯」男の声が聞こえると同時に鈍い音、重い拳を食らい、俺は膝をついていた

「ゲホッ⋯ぐぁ⋯!」咳をする暇も与えず男は蹴りを入れる


「お宅⋯光、隠してるでしょ?」


「アンタらただのヤクザじゃ⋯」


男はニヤッと本来の笑みを曝け出してこう言った「残念でしたねェ私達は光源、もとい【光】の無断使用をしたゴミを断罪する⋯」


男は自分に酔ったような表情を見せ、胸ぐらを掴んで俺の顔を引き寄せた

「つまり⋯私は教会所属、断罪科、です」


「⋯だから情報を吐けと?俺も大人なんでね、そんな厨ニ組織に時間やれねぇんだよ」


「じゃあ吐くまで殴らないとですよねェ?」


まだだ⋯勝機を探せ⋯何度も殴られ、歪む視界の中でふと手の近くにある鏡が目に入った

「⋯地下室だ」


「⋯早いですね?」 


「信心深い馬鹿に感服したんだよ」

男の胸ぐらを掴む力が緩まった

油断させて⋯ゆっくりと⋯鏡へと手を伸ばす

「オラァッ!!」

男の顎へと割れて尖った鏡を振り上げる⋯がいとも簡単にそれは止められた


男が拳を構える

「⋯なんで笑ってんだよ⋯」

男が気持ちが悪いという目で俺を見た

そう、俺は笑っている


男が拳を握り直したとき、鈴の音が鳴り響く

?「⋯助けてやろうか?」

男が知らぬ声に驚き、振り向くと

⋯アルバスさんがドア前に立っていた

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