この物語の語り口は、まるで昔話をそっと聞かせてくれるような暖かさがあります。
でもその奥には、人生の機微や人の心の危うさへの深いまなざしがあり、静かだけど、芯のある作品だと思います。ろうそくだけに。
ダジャレすみません。
それはさておき、昭和の暮らしを優しく語る口調が昭和生まれの私には心地よく、ろうそくを通して描かれる昭和の暮らしぶりには、懐かしさと温かさがありました。
その温かさを維持したまま、物語終盤では人生や感情の象徴として「ろうそく」が深く意味を持ち始め、読後にいろいろ考えさせられました。
穏やかな語りの中に、静かな警告や人生観がにじむ素敵な作品だと思います。