第15話 個人申請について
遺産分割調停の申請には、時間の長さはともかく、平日の五日間を消費した。
裁判所で書類の交付を受け、書類の書き方を聞き、申請するのに三日間を要した。
市役所、法務局を駆けずり回るのに二日間を要した。
遠方のD男が自ら住民票などを送ってくれなければ、更に一日二日掛かっていた。
普通の人が申請するにはハードルが高いよな。
有給休暇は通常四十日。
二十日プラス二十日。
そのうち五日間を使うのだ。
協力者がいなければ更に必要。
遺産で揉めることなんて、話を聞いていると良くあることだと思っていたが、それにしては、役所は市役所も裁判所も調停関係をやり慣れていないと感じた。
そのため、遺産分割調停を行う人は、通常弁護士に依頼するのか? と思って調べてみた。
結果、あくまでもネット情報だが以下のことが推測された。
年間の死者は、人口比で言うと1.5%ほどらしい。
甲裁判所管内の人口は約二十万人程度。
年間死者数は約三千人程度だろう。
相続事案の約1%で遺産分割調停の申し立てが行われるらしい。
つまり、甲裁判所では年間三十件程度の遺産分割調停があると見込まれる。
遺産分割調停で、弁護士を依頼する割合について調べると、85%だそうだ。
これは審判も含むそうだが。
つまり、三十件のうち、弁護士を依頼しないケースは15%、つまり四~五件程度らしい。
一年をその数で割ると、三か月に一度程度しか個人で遺産分割調停を申し立てることはないらしい。
85%である月二件程度は、弁護士が書類を整えて申請するのだろう。
つまり、ほぼノーチェックで通る書類だ。
三か月に一度のレアケースは面倒なんだろう。
調停は、月一程度で進行するらしいが、スムーズにいけば四~五回、揉めると十回以上掛かるらしい。
我が家の場合だと、絶対揉める。
ネットを見ると、調停終了までに二年くらい掛かるらしい。
その後で審判に移行して、最大五年ほど掛かるケースも三%ほどあるらしい。
これは私が生きている間に何とかするしかない。
父親も祖父の遺産ではかなり揉めていて、片付いたかどうかすら分からない。
そんなことにならないよう、残された家族に引き継がれないように始末する必要がある。
あと、遺産分割調停の申請先だが、来ない人の住所地に申請するというソースは全く見つからなかった。
裁判所に勤務する知人ができたらぜひ聞いてみたい。
別のネット情報だと、遺産分割調停は、年間約15000件あるとのこと。
人口比で考えると、甲裁判所管内だと25件程度というところか。
やはり個人で遺産分割調停の申請をやろうとする者は、非常にレアな人らしいことは分かった。
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