ミサンガの友情 私の想像

左足首に巻いた緑のミサンガ。


Aちゃんは青、Bちゃんはオレンジ。


「三人おそろいだね、友情の証だね」――そう言って笑い合った。


でも、あのときの笑顔の裏側なんて、きっと誰も本気じゃなかった。


Aちゃんは少し自分勝手で、何かあるたびに大げさなリアクションをする。それがみんなを盛り上げるようでいて、どこか鼻につく。私はそんな彼女の明るさをまぶしいと感じるよりも、正直うるさいと思っていた。


Bちゃんはもっと違う。何かを頼んでも「この前やってあげたじゃん」と、過去の貸し借りを持ち出す。ちょっとした優しさも、計算に染まって見える。私はその押しつけがましさが苦手だった。

でも――彼女たちも、私のことを本当の意味で“友達”だと思ってなんかいない。


AちゃんはBちゃんといれば十分だし、BちゃんもA ちゃんといれば満足そうにしている。私はただ、その輪を埋めるために置かれた三角形の頂点のひとつにすぎない。


おそろいのミサンガだって、友情の証なんかじゃない。


ただ「仲良しっぽく見えるアイテム」が欲しかっただけ。足首に巻かれたそれを見下ろすたびに、胸の奥で冷たい笑いが漏れる。――これは“偽りの友情”の印。


だから私は心の中で、こっそりこう呼んでいる。


「友情ミサンガ」じゃなくて―


** 「友情ごっこのミサンガ」 **だ、と。

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