設定資料 — 異能体系と戦闘体系の詳細
エルディア連邦式 ― 異能体系と強化兵運用体系
■ Ⅰ. 星脈循環理論と異能の基盤
エルディア連邦は、帝国の「人造兵」政策に対抗するため、《イデア計画》を打ち出した。その根幹にあるのが、星脈循環理論である。
人間の体には、血管や神経に並走するように「星脈 (スターヴェイン)」と呼ばれる微細なマナ流路が存在する。これは古代文明セレスティアが体系化した知識の断片を現代的に再発見したものだとされる。
星脈は本来ごく微弱で、日常生活では意識されることはない。だが、特定の個体――いわゆる《ギフテッド》は生まれながらに星脈の開閉や循環操作に長けており、これが「異能」の素地となる。
連邦はこの理論を拡張し、
・生まれ持つ適性を訓練で安定化させる「ギフテッド教育」
・星脈を補助する義肢や外骨格、マナ制御装具を組み合わせる「エンハンサー兵」
・両者を複合し、遺伝的才能と技術的補助を融合させた「ハイブリッド兵」
という三種の強化兵体系を確立した。
ただし、異能の使用には必ず「循環負荷」が伴う。星脈は無限ではなく、過剰な操作は「逆流 (バックラッシュ)」を招き、神経損傷・細胞崩壊・精神異常などを引き起こす。これを管理するために導入されたのが《星環器(Limiter Gear)》であり、同時に「星誓(オース)」と呼ばれる精神的制約を課すことで効率を飛躍的に高める技法が編み出された。
■ Ⅱ. 六つの「運用枠組み」
連邦学術局は、異能を以下の六つの「運用枠組み」に分類している。これは「系統」というよりは、星脈循環をどう処理するかという運用思想に近い。
◼︎1. 増勢 (フォルティファイ)
・概要:肉体・精神・装備に直接的な出力を上乗せする運用。
・例:筋出力の増幅、反射速度の加速、痛覚遮断、臓器の強化。
・利点:即効性と汎用性が高く、最前線の突破力に直結。
・弱点:過剰使用で肉体の摩耗が早い。
・典型的運用:外骨格(Frame Gear)との親和性が極めて高い。
◼︎2. 変換 (コンバート)
・概要:取り込んだマナを、熱・振動・衝撃波・毒素情報など別の形態に変質。
・例:電磁的な痺れを生む打撃、衝撃を熱に転換して爆散させる拳。
・利点:応用範囲が広く、環境への適応力も高い。
・弱点:精度が低いと暴発する危険性。
・典型的運用:マナブレードに流し込み、属性を自在に切り替える。
◼︎3. 投射 (エミット)
・概要:マナを外部に放出し、衝撃波や粒子束として展開。
・例:爆裂弾、収束光線、音波干渉。
・利点:遠距離からの制圧に優れる。
・弱点:消耗が激しく、長期戦に不向き。
・典型的運用:ドローンや砲塔と連携し、広域制圧。
◼︎4. 操環 (サーキュレート)
・概要:対象物や環境の挙動を制御し、流れを強制的に操作。
・例:投擲物を曲げる、液体や砂を操る、小型機械群を同期させる。
・利点:戦術的な応用度が高く、非殺傷制圧や攪乱に適している。
・弱点:条件を揃える必要があり、即効性に欠ける。
・典型的運用:索敵用ドローンとの連携で実力を発揮。
◼︎5. 具象 (マニフェスト)
・概要:マナ情報を凝縮し、半物質的な形で投影。
・例:盾や拘束具、武器、足場の生成。
・利点:防御や補給を自前で賄える。
・弱点:維持には高度な集中が必要で、長期展開に不向き。
・典型的運用:学園決闘では防御系能力として重宝される。
◼︎6. 特異 (シンギュラリティ)
・概要:上記どれにも分類できない規則外の挙動。確率操作、認知撹乱、位相干渉など。
・例:未来予測、逆位相共鳴、記憶の改竄。
・利点:戦局を覆す一撃必殺の妙。
・弱点:誓約と代償が非常に重く、失敗時の反動も甚大。
・典型的運用:連邦では研究が進んでいないが、古代文明との関連が示唆されている。
■ Ⅲ. 運用思想と相関
これら六枠組みは、互いに相性と拮抗関係を持つ。
・増勢 vs 投射:至近距離に持ち込めば増勢が有利、間合いを保てば投射が勝る。
・変換 vs 具象:環境適応で攻撃する変換と、防御構築する具象の読み合い。
・操環 vs 特異:条件戦術で優位を取る操環と、規則外で破綻させる特異の対立。
また、星誓を設計することで、運用範囲を狭める代わりに出力を飛躍的に上げることが可能。例えば「この技は夜間にのみ使用する」という誓約は、昼間の行使を封じる代償と引き換えに数倍の威力を保証する。
■ Ⅳ. 訓練体系と評価基準
アーク・アカデミアにおける異能訓練は、三段階に整理される。
1. 基礎循環 (サーキット・ドリル)
・呼吸法と瞑想により星脈循環を可視化し、四操作(開放・遮断・増幅・発動)を習熟する。
2. 応用戦術 (コンバット・ドリル)
・バトルドーム内での模擬戦。魔獣やアストラ兵模擬体を相手に、各枠組みの実戦応用を学ぶ。
3. 誓約設計 (オース・デザイン)
・自己に課す制約を定め、その代償と効果を解析。星環器に登録し、違反時には強制遮断される仕組みが導入されている。
評価指標としては以下が用いられる:
・循環効率指数(MCI):星脈の流量を数値化。
・共鳴安定率(SRO):発動の安定度。
・神経遅延率(NDR):指令から発動までの遅延。
・反動係数(HRC):反作用による負担の指標。
学生はこれらの総合点で階級が割り当てられ、ランキング制度に反映される。
■ Ⅴ. 装備と異能の連携
・星環器(Limiter Gear):星誓と連動し、暴走を防ぐ制御装置。
・Frame Gear:増勢系の基礎能力を安定化させる外骨格。
・マナブレード:変換系の属性を載せることで、アストラ兵の再生を切断可能。
・索敵ドローン:操環・投射の補助に用いられる。
・実体投影補助核:具象系の安定化を助け、維持時間を延長する。
■ Ⅵ. 戦闘ドクトリン(連邦式)
連邦はこれらを組み合わせ、三相構造戦術を確立している。
・前衛:増勢・変換。突破と近接戦闘。
・中衛:具象・操環。防御と制御。
・後衛:投射・特異。制圧と撹乱。
この三相が噛み合うことで、帝国のアストラ兵に対抗できる唯一の組織戦力となる。
■ Ⅶ. 実例:主要人物の位置づけ
◼︎アイリス・ヴァレンタイン
運用枠組み:特異(未来演算)+投射補助
特徴:確率偏向による未来予測。星誓は「自ら観測したものに限る」。
◼︎スコール・キャットニップ
運用枠組み:特異(逆位相共鳴)+変換補助
特徴:相手の発動を“外す”能力。星誓は「先に受けた技にのみ干渉可」。
◼︎テンペスト(完全顕現)
運用枠組み:具象(竜装顕現)+変換+増勢
特徴:竜鱗装甲と嵐雷の変質。人格交代の代償を伴う。
■ まとめ
連邦の異能体系は、帝国のアストラ兵計画の「人造進化」とは対照的に、
「人間性を保ったまま強化する」という理念の下に構築されている。
六つの運用枠組みは、それぞれが学術的・軍事的に整理された学派であり、互いの拮抗関係と連携によって初めて戦術的価値を発揮する。
この体系を学ぶ場が《アーク・アカデミア》であり、ここで育成された強化兵は、帝国に対抗しうる唯一の戦力として前線に送り込まれていくのである。
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星誓制御装置 《星環器(Limiter Gear)》 ― 星脈循環の制御機構
■ Ⅰ. 概要
《星環器(Limiter Gear)》とは、エルディア連邦が強化兵(Enhancer)育成のために開発した、星脈循環制御装置である。
その機能は単純ではない。
・星脈の流量を計測する計器
・過剰循環を遮断する安全装置
・星誓 (オース)を物質的に刻み込む誓約基盤
この三つを兼ね備えた装置である。
帝国のアストラ兵が「肉体を作り替えて進化」するのに対し、連邦は「既存の人間を、道具によって安定化・強化」する方向性を選んだ。その中核にあるのが、このセリアクスである。
■ Ⅱ. 構造と物質的形態
星環器は、マナ結晶 (エーテルコア)を核とした装具であり、主に二つの形態が存在する。
1. 埋め込み型 (インプラント)
・星脈の集中点(胸骨下、背骨付近、手首など)に直接埋め込む。
・常時モニタリングが可能だが、拒絶反応や依存症のリスクがある。
・主にハイブリッドや高リスク兵士に使用。
2. 装着型 (ウェアラブル)
・腕輪・首輪・胸当て・外骨格パーツとして装着。
・マナ結晶は皮膚に触れる程度の密着で稼働。
・一般学生や新兵はこちらを使用。
装置の外殻は金属ではなく、「マナ導素合金(オリハルクス合金)」を基盤とする。
これにより、結晶内部の流動が外界と共鳴し、数値的な流量や圧力をリアルタイムに可視化できる。
見た目は腕輪やチョーカーのようであり、意匠はシンプルだが発光する紋様が常に脈動している。
■ Ⅲ. 星誓 (オース)との関係
◼︎1. 星誓の定義
「星誓 (オース)」とは、異能行使者が自らに課す“星脈の律法”である。
それは精神的な誓いであると同時に、星環器を介して物質的に刻印される制御命令である。
たとえば、
・「自らの血を捧げたときのみ、この技を発動できる」
・「夜間でなければ力は使えない」
・「対象を“見た”瞬間でなければ干渉できない」
こうした制約は精神的誓いにとどまらず、星環器内部の結晶核にパターンとして焼き付けられる。
その結果、誓約違反時には結晶が自動的に循環を遮断し、技は「そもそも発動できない」仕組みとなる。
つまり「星誓」は、精神と物質の両面におけるロック機構なのだ。
◼︎2. 星誓の役割
・循環効率を高め、出力を飛躍的に増大させる。
・自身の戦闘スタイルを固定化し、運用思想を明確にする。
・同時に、違反時には必ず暴走を阻止する「安全弁」として働く。
帝国のアストラ兵が「代償を顧みず暴走」するのに対し、連邦の兵士は「星誓によって自己制御を強制される」という点で大きく異なる。
■ Ⅳ. 星環器の機能詳細
1. 循環計測モード
星脈流量・圧力・温度を常時監視し、過剰時には警告を発する。
2. 遮断モード
誓約違反、あるいは循環逆流を検知すると自動遮断。
装着者が意識を失っても暴走は防がれる。
3. 共鳴モード
複数の星環器が同期すると、部隊単位で循環をリンク可能。
連携技や広域結界の展開が可能になる。
4. 刻印モード
星誓を結晶に刻む作業。
学園では儀式的な「オース登録」が行われ、教官と研究員が立ち会い、学生に誓約を課す。
登録された誓約は結晶紋様として可視化され、外観にも刻印が浮かび上がる。
■ Ⅴ. 実用上の位置づけ
◼︎1. 教育現場
アーク・アカデミアでは、入学と同時に全生徒へ装着が義務付けられる。
初期は「安全ロック」として機能し、過負荷使用を防ぐ。
上級生になると、各自が「誓約設計 (オース・デザイン)」を行い、独自の戦闘スタイルを確立していく。
◼︎2. 軍事現場
・小隊運用:複数人で同期することで、部隊全体の循環効率を最適化。
・監視機能:誓約違反・暴走を検知すると司令部へ自動通報。
・封印機構:捕虜や危険兵には逆に星環器を「抑制器」として使用。
◼︎3. 社会的意義
星環器は単なる兵装ではなく、「人間を人間のまま強化する」ための理念の象徴。
これにより連邦は「帝国の人造兵との差別化」を果たし、倫理的優位を確保している。
■ Ⅵ. 実例
・スコール・キャットニップ
星誓:「先に受けた技にのみ干渉可」
星環器は胸骨下に埋め込み型。違反すると循環遮断が発動。
・アイリス・ヴァレンタイン
星誓:「観測した未来にのみ介入可」
星環器は腕輪型。結晶が未来のパターンを光として描き出す。
・セリナ・ブルーアッシュ
星誓:「仲間が戦場にいるときのみ全力可」
星誓が八重歯の刻印として浮かび上がる(装飾的カスタマイズ)。
■ まとめ
星環器(Limiter Gear)は、
・星脈循環の計測・制御・遮断を行う装置であり、
・星誓 (オース)を物質的に刻印し、兵士の力を「管理可能な枠組み」に収めるための技術である。
帝国が「制御を捨てて暴走の力を追う」のに対し、連邦は「誓約と装置で人間性を保ちながら強化」する。
その哲学的差異が、両陣営の最大の相違点であり、物語世界の緊張の核心である。
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星環器 ― 星誓を宿す器官兵装
■ Ⅰ. 物質的構造
星環器は「人工の道具」であると同時に、「半ば有機的な器官」にも近い存在である。
その根幹は 《星脈結晶核 (アストラル・コア)》 と呼ばれるマナ結晶であり、これを加工・封入した上で「器」として鍛造される。
星環器の一般的構造は以下のように整理される。
◼︎1. 外殻 (アストラルフレーム)
・マナ導素合金(オリハルクス合金)と有機繊維を編み込んだ外殻。
・耐衝撃性と柔軟性を併せ持つ。
・使用者の体格や戦闘スタイルに応じて変形可能。
◼︎2. 結晶核 (アストラル・コア)
・星脈循環を感知・記録する心臓部。
・星誓 (オース)の文言や理念は、この核に「刻印」として焼き付けられる。
・発動時には脈動し、光や紋様を放つ。
◼︎3. 導脈回路 (マナ・リレー)
・結晶核と外殻を繋ぐ半透明の管。
・使用者の血流や神経と直接リンクし、意識と星脈の情報を双方向に流す。
・これにより「誓約違反時の遮断」や「誓約発動時の強化」が実現される。
■ Ⅱ. 星環器の形態分類
星環器は「全員同じ形」ではなく、使用者の資質・誓約内容・精神性によって姿を変える。
これにより一人ひとりが「固有の星環器」を持つことになる。
◼︎1. 装着型 (アーム・セリアクス)
・腕輪・指輪・チョーカー・胸当てなど。
・装飾品に近い外見を持つが、誓約発動時には光の紋様が外殻全体に広がる。
・新兵や学生の標準モデル。
◼︎2. 埋め込み型 (インプラント・セリアクス)
・胸骨・背骨・心臓付近に埋め込まれるタイプ。
・強制的に星脈と同化するため、拒絶反応リスクが高い。
・ハイブリッド兵や精鋭向け。
◼︎3. 武装変換型 (ウェポン・セリアクス)
・誓約内容によっては「外殻自体が武器形態」に変化する。
・例:籠手、剣、鎖、盾、投槍。
・これは意識と星脈の「共鳴強度」が高い者にのみ現れる現象であり、通称「星環顕装」と呼ばれる。
■ Ⅲ. 星環器と誓約の結合
星環器の最も重要な特徴は、誓約 (オース)が物質として結晶核に刻まれることだ。
・誓約を立てる瞬間、星環器の結晶核に光の刻印が浮かび上がる。
・その刻印は使用者の体表にも一時的に反映され、紋様・文様として出現する。
・星環器の形態も誓約と結びつき、誓約が苛烈であればあるほど形態は「武装変換」に近づく。
例:
・「己の血を代償に炎を呼ぶ」誓約 → 星環器が赤黒い籠手状に変化。
・「仲間を守るためにのみ発動」誓約 → 星環器が盾状に変化。
■ Ⅳ. 星環器の覚醒段階
星環器は、単なる「装置」から「魂に近い存在」へと成長していく。
その進行度は学園でも公式に段階化されている。
◼︎1. 基礎段階(初期安定期)
・外見はシンプルな装具。
・誓約は単純で制御も容易。
◼︎2. 共鳴段階(適応期)
・使用者の精神性に応じて形態が変化。
・星環器が「声」を返す感覚を覚える者もいる。
◼︎3. 顕装段階(覚醒期)
・外殻が武装化し、使用者ごとに固有の形を取る。
・結晶核と精神が深く結びつき、「相棒」のような存在感を持ち始める。
◼︎4. 至誓段階(最終期)
・誓約が「星環器そのものの本質」となり、意志を宿したように振る舞う。
・星環器はもはや兵装ではなく「半身」。
・一部では「古代星導者の武具と同質」とされる。
■ Ⅴ. 星環器の個性例
◼︎スコール・キャットニップ
・星環器形態:黒銀の腕輪。
・顕装時には「竜鱗籠手」と化し、爪のような鉤爪が顕現。
・刻印:「受けた傷を返す」――先に受けた攻撃にのみ干渉可。
◼︎アイリス・ヴァレンタイン
・星環器形態:白銀の指輪。
・顕装時には「透き通る水晶盤」となり、星の軌跡を映す。
・刻印:「観測した未来にのみ介入可」。
◼︎セリナ・ブルーアッシュ
・星環器形態:首元のチョーカー。
・顕装時には「双短剣」へ変化。
・刻印:「仲間が戦場にいるときのみ全力可」。
■ Ⅵ. 星環器の思想的意義
帝国の「アストラ兵」が人間性を捨てて兵器へ変貌していくのに対し、
連邦の「星環器」は、人間の魂や理念を武具として結晶化する発想である。
・「人間の限界を超える」ためではなく、
・「人間の信念を形にする」ために存在する。
この哲学的対比こそが、アストラ計画とイデア計画の最大の違いであり、物語的な核にもなりうる。
■ まとめ
《星環器》は、
・星脈結晶核を宿した器官兵装であり、
・誓約 (オース)を物質化し、使用者の魂と結びつく存在である。
それは単なる道具ではなく「相棒」であり、
覚醒が進めば進むほど使用者の精神と不可分になっていく。
➡︎つまり「星環器」は、魂の姿を映す鏡ともいえる。
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星環顕装 ― 星誓を纏う武具
■ Ⅰ. 星環顕装とは
・《星環器》が誓約 (オース)との共鳴を深めたとき、外殻そのものが武具へと変貌する現象。
・使用者の魂・理念を映し出すため、形状や能力はすべて異なり、同じものは二つと存在しない。
・学術的には「結晶核の顕装位相」と呼ばれる。
星環顕装には段階が存在する:
◼︎1. 初顕(しょけん)
・星環器が初めて武具として形を取る段階。
・力は限定的で、誓約内容の一端しか発揮できない。
◼︎2. 真顕(しんけん)
・使用者が誓約を貫き、自身の理念と完全に一致したとき現れる段階。
・武具はより複雑かつ強力な形態へ進化し、誓約の本質が露わとなる。
◼︎3. 至顕(しけん)
・極限状態において現れる最終形態。
・星環器そのものが「意思」を持つかのように振る舞い、宿主と不可分な存在となる。
・一部の研究者はこれを「古代星導者の遺産と同質」と定義する。
■ Ⅱ. 主要キャラクターの星環顕装
1. スコール・キャットニップ
・星環器の基形:黒銀の腕輪
・武具形態名:
《竜爪環 (ドラゴンズ・クラウン)》
◼︎初顕
・両腕に黒鱗の籠手が顕現。
・指先は鉤爪状に伸び、掴んだ物を粉砕するほどの破壊力を持つ。
・刻印効果:「受けた傷を返す」――自身が受けた攻撃の一部を「反響」させる。
◼︎真顕
・鱗は肩口から胸元まで覆い、尾の幻影が顕現。
・攻撃を受けるほど竜核が共鳴し、爪撃に「逆位相の衝撃波」を纏わせる。
・防御を突破する力が飛躍的に増大。
◼︎至顕(未到達)
・黒銀の竜人鎧として顕装。
・星環器が「テンペスト」と共鳴し、宿主を半ば凌駕する。
・一時的に「完全竜顕」に近い状態となり、意識の主導権をテンペストが奪う危険性を孕む。
2. アイリス・ヴァレンタイン
・星環器の基形:白銀の指輪
・武具形態名:
《星導環 (アストラル・ダイアデム)》
◼︎初顕
・指輪が光輪へ変化し、周囲に「透き通る水晶盤」が浮かぶ。
・星霊演算により、敵の動きを先読みする軌跡が光の線として描かれる。
◼︎ 真顕
・水晶盤は六枚へと増殖し、星図のように周囲を巡る。
・それぞれが「観測点」となり、対象の行動パターンを完全解析。
・刻印効果:「観測した未来にのみ介入可」――予測不能な行動には対応できない。
◼︎至顕(未到達)
・星環器そのものが「天空の観測塔」となり、戦場全域を俯瞰する幻影を顕現。
・未来予測ではなく「未来の選択肢を提示」する力へ進化する。
・ただし膨大な情報負荷により、使用者の脳を焼き尽くすリスクがある。
3. セリナ・ブルーアッシュ
・星環器の基形:首元のチョーカー
・武具形態名:
《双牙環 (ツインファング)》
◼︎初顕
・チョーカーが光を放ち、両手に双短剣が形成される。
・刻印効果:「仲間が戦場にいるときのみ全力可」。
・単独戦闘では制限がかかり、真価を発揮できない。
◼︎真顕
・双短剣が「連結式の双刃槍」に進化。
・仲間の星環器と共鳴し、複数人での戦闘時に「戦術陣」を形成。
・戦場全体を俯瞰し、仲間の動きを同期させる。
◼︎至顕(未到達)
・星環器が「陣形の核」となり、戦場に光の陣図を投影。
・その範囲内では仲間全員の星脈循環を強制的に高める。
・まさに軍師の星環器。
4. 沙希
・星環器の基形:黒漆の刀装具
・武具形態名:
《月影環 (ムーンシャドウ)》
◼︎初顕
・黒漆の直刀として顕現。
・刻印:「相手の一撃を受けねば、自らの刃は振るえぬ」。
・守りから入り、必ず反撃する戦術。
◼︎真顕
・刀身に蒼月の紋様が走り、斬撃が残光として空を裂く。
・攻防一体の「月光剣術」が完成。
◼︎至顕(未到達)
・刀身が弦月状の大剣へと変貌し、「影」と「光」を自在に操る。
・一度抜けば、戦場全体を昼夜逆転させる幻視を発動。
■ Ⅲ. 星環顕装の思想的役割
・帝国のアストラ兵器が「外部からの改造・強化」であるのに対し、
・連邦の星環顕装は「人間の理念を具現化する武装」である。
つまり、星環顕装とは――
「その人間の魂に宿る物語を、戦場に刻む武具」 である。
■ まとめ
星環顕装は:
・星環器が魂と誓約に共鳴して武具化した形態。
・初顕 → 真顕 → 至顕の段階を経て成長する。
・武具名と能力はすべて異なり、使用者の生き様と誓約を反映する。
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