結論から言わせていただきます。
私はノンケです。
いや、ビビりました。
何の気なしに読んだ作品で、いきなり事件?が起こったので。
え、なにこれ?状態です。
タグを見て初めて気がつきました。
これBL小説やないかい!と。
でも、何故か全話読めました。
本作品の良かった点と致しましては、
①主人公の心理描写
政府によって決められた許嫁との結婚を鬱陶しく思う感じが、『結婚せずに自由に生きたい男性』を正確に描写しており、再現度高いなと思いました。
また、主人公の葛藤シーンも丁寧に描かれており、少しずつ気持ちが固まっていく様子が見て取れました。
②BL相手のキャラ造形
エヴァンゲリオンのカオルくんを想起させる「飄々としてるけどクール。そして、主人公のことを大切に思っているキャラ」で、非常に良いキャラ造形だと思いました。
一見幸福な生活を送っている50年後の日本、しかしそれは徹底的なAI管理により成り立っている。国民は17歳になると、松竹梅の三段階に格付けされ、恋愛、学歴、職も全てスコアに応じて与えられる。
主人公の魁斗は、同級生の里桜と恋人登録をしていた。しかし、同じバスケ部のライバル校の晃のことが気になって仕方がない。
晃の父親は、政府に抗う闇市の頭。
警視総監である魁斗の恋人の父親とは敵対している。
SFファンタジーでもあり、ミステリー要素もあるBL、二人はこの先どうなるのか!
ノア・ポイントというタイトルの連載中の長編のスピンオフとして書かれているこの物語ですが、そっちを読んでなくても楽しめるように作られております。実際私もまだそっちは読んでおりません。
ただのBLラブストーリーなら、同性愛に対する誤解や偏見とどう闘うかとか、自分の気持ちは普通ではないのではという不安や葛藤がテーマになってくる。
しかしこの物語では、AIで管理された社会への抵抗、抑圧された自我の目覚めなどが全体に流れていて、ただのBLではないところにこの作品の面白みがある。
展開が気になって毎日の更新が待ち遠しいです。おススメです!