第5話 一人称にもいろいろあるんじゃない?

 さて、この連載難しいのかな?

 9/24 7:00現在のPVの推移なんだけど


1話目 181PV

2話目  64PV(65%減)

3話目  24PV(87%減 前回からは63%減)

4話目  18PV(4話目は投稿後7時間のため若干増える可能性はある)


 こんな感じです。


 減少率エグイ! どうやら難しかったか読みにくかったみたいです。

 わかりやすく書けたと思っていたのですが・・・


 初心者向けじゃなかったのか・・・

 まあ、一話でおわるよていでしたので、ここら辺りで一旦終了しようと思います。



 今回も🎩鮎咲亜沙さんから感想来ているのですが、まあ、個人的な体験が強いので今回は取り上げなくてもいいかな? 前回の感想欄チェックしてください。


 では初心に戻って一人称を分析しましょう。



 三人称は、三人称一元、とか、三人称神視点、とか同じ三人称でもいろいろな種類があるのは理解できていると思う。

 でも、一人称って、そういう感じの分け方意識していないような気がするんだよ。


 一人称の文章も、そういった分け方がありそうな気がするのですよ。


 でも、それについてはあんまり話す人いないのです。


 なんでかな? と考えると、一人称の文章の中で、混ぜて使っているからじゃないかと思っているのです。


 そこを意識して一人称を書いたらいいんじゃない? と思ったのです。


 そんな感じで、一人称を分解してみましょうか。



1.主役の目で見たことだけ書く一人称。


 これは前回の、三人称の「彼」を「僕」に変えたのが近いかな?

 心情を入れず、淡々と見たことだけを書くやり方。


 前回のシーンをより淡々と書くとこんな感じかな?



a  沙希にプロポーズをするため、レストランにいる。

 色とりどりの料理が、次々と出てくる。

 沙希の動きをまねて、僕はフォークを取る順番を確認した。

 沙希は何も言わず、僕を見て微笑んでくれる。

 デザートと一緒に、沙希の前に指輪が置かれた。

 僕からのサプライズ。

 沙希の瞳が大きく輝いた。


b   レストランに連れてこられた。

 レストランなど来たこともない彼は、緊張しているように見える。

 いつまでも食べ始めないので、試しにサラダ用のフォークを手にした。

 彼は真似るようにフォークを取って食べ始めた。

 次の料理も同じだった。

 私は愛想笑いをするしかなかった。

 デザートと一緒に指輪が置かれた。

 私はその指輪を見つめていた。



 なるべく感情を排除して、見たままを書くとこんな感じ。

 これをうまく書き続けて読ませられる文章まで昇華するのは、本当に高度なテクニックがいります。


 大抵は、プロットのようになるのです。


だけど、こういう書き方をしている人は結構いたりするのです。




2. 心の声が漏れる書き方


 誰に語りかけるわけでもなく、心の声がだだ洩れいているかのように内面を見せる書き方。


c  今日は大切な日。成人式以来袖を通したことのないスーツを着て、僕は沙希とレストランに来た。

 普段はファミレスでのデートばかり。でも今日はそう言うわけにはいかない。


 作家として見通しが立った今、結婚を申し込むのだから。(以下略)


d  これで最後にしよう。

 もういいよね。疲れた。あれだけあった愛情は、放っておかれた風船のようにしぼんだ。


 今さらレストランに誘われても……。まあ、最後の思い出にちょうどいいか。(以下略)



 こんな感じかな? 誰に言うでもなく、内面が漏れ出している感じですね。


 これに対して、読者に語りかける、または説明するような一人称があります。

 ナレーター型とでも言いましょうか。こんな感じです。


e  僕の名前は今野渚。24歳。駆け出しの作家です。

 聞いてください、なんと二冊目の本が出版されることが決まりました。

 やっと作家として、もちろん兼業しながらですが、それでも一発屋からは抜けることができた。だから、


 今日は沙希にプロポーズをする。


 沙希には長いこと苦労を掛けた。だから、今度こそ幸せにしたい。(以下略)


f  あ~あ、デートか。気が重いなぁ。

 あ、私は中野沙希、26歳、証券会社でOLをしています。

 今、私は二年ほど付き合った彼のことで悩んでいるの。


 私の彼は『一年後に亡くなってしまうあなたを、僕が最後まで笑わせるために何をすればいいのだろう』というブルーライト小説を書いた作家なの。


 でも、それ一冊しか出せていない。


 それはいいんだ。今も書き続けているし、二冊目が決まりそうだって聞いている。


 これから成功の道を歩んでいきそうな彼。でも……


 私の愛情は、何ていえばいいんだろう……そう、しぼんでしまった風船のように皺にまみれ小さくなってしまった。


 ……別れよう。


 今日のデートを最後に、私は別れを告げようと思っているの。

 だから……気が重いよ。でも行かなきゃ。


 私は、初めてのデートで着たワンピースに着替えた。




 これは好き嫌い分かれるようです。ですが、多くの読者からすれば、説明されているぶん理解も早く物語の中に入り込んでいるように感じることができます。


 読者的には、

 2.が主人公として入り込んで読む

 3.は隣で見ている感じになる


 そんな効果がありそうです。





 本好きの下剋上という作品があります。

 主役の「マイン」は、主に2のパターンで書かれているのですが、途中差し込まれる別キャラの一人称は3のパターンで書かれていることが多いです。


 それによって、主役の見えていない状況説明や、思い込んでいる世界観と、普通の人の世界観のずれを修正していたりもします。


 一人称は一人の人間の感じている常識や目線、体験が主に出ます。


 渚主役で書かれる、幸せなデートは、沙希視点で書かれると、憂鬱なデートシーンに変わります。


 三人称一元でも同じなのです。



 大体の一人称作品は1.2.3のどれかをメインにしながら、他の二つを混ぜて補強しているように感じます。


 この事を大体の人は無意識にやっているのですが、これを意識的に使いこなせるようになると、一人称の文章力が上がるのではないでしょか。




 ということで、このシリーズはここで終了とさせていただきます。

 まあ、書きたいことはほぼ書けたし。


 皆さまが何か考えるきっかけになれば幸いです。


    みちのあかりでした。




 


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