いつもエッセイで「あるある~w」と楽しませてもらっているノアールさん。
そんな筆者がどんな物語を書くのか、興味本位で読んでみたのですが――これは想像以上に深くて静かな闇でした。
日常の会話や風景が丁寧に描かれるほど、その裏に潜む“違和感”がじわじわと滲み出してくる。
派手な展開ではなく、記憶と感情の揺らぎがゆっくりと読者の中に広がるような作品です。
淡々としていながら、最後には重く、そしてどこか儚い余韻が残る。
ノアールさんの観察眼が光る、静かで恐ろしく、美しい一篇でした。
物語前半で期待していたモノと全く違う結末になりますが…そのいい意味での裏切られ感で読みごたえがありました。