第2話
あなたは突然、空を漂う巨大なソーセージの上で目を覚ました。
下を見ると地面は紫色のゼリーでできていて、歩くと軽く振動しながら「ブニョッ」と音を立てる。
空には巨大な金色の眼鏡が浮かんでいて、時々目玉が瞬きしながら街の様子を覗き込む。
街の住人は全員、手が風船になっている。
風船の手でコップを持ったり、ピアノを弾いたり、時には空に浮かんで小さな雲を捕まえたりしている。
「今日の雲は味が酸っぱいな」とか「靴下の色で音楽が変わる」とか、意味不明な会話が聞こえる。
猫は全員スーツを着ていて、会議中に突然トーストを食べながら論争を始める。
魚が参加するときは、水の中ではなく空中を泳ぎながら、ペンギンに議題を説明する。
ペンギンは耳から小さな旗を出して、議論の進行を示す。
旗を間違えると、空のソーセージが「くにゃっ」と曲がって方向転換する。
郵便局では、手紙ではなく 匂いのかけら を配達している。
匂いのかけらを受け取ると、住人の帽子が勝手に歌い始め、足元のゼリーが微妙に光る。
ある瞬間、空の金色眼鏡が「今日は踊る日だ」と宣言し、住人全員が浮遊しながら踊り出す。
あなたのソーセージは微妙に揺れ、地面の紫ゼリーが波打ち、猫やペンギン、魚、住人の風船の手…全員が入り乱れる。
見渡すと、空からは紙飛行機に乗った小さな太陽が降ってくる。
太陽は軽く笑いながらあなたに手を振るが、手を振るごとに街の建物の角度が微妙に変わる。
でも何も怖くない。
ただ「なんだこれ…」と思いながら眺めていると、頭がふわっと軽くなり、怒りやネガティブが勝手に遠ざかる。
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