食べ終わったあとのアイスのカップから夜の空気に混じってほんの少しだけ薫る、甘いしあわせの香りが好き

葉月

感情

気分でアイス屋さんに寄って帰り道にひとりでアイスを食べながら歩いてたんだけど、一口食べた瞬間から落ち着かない感情が一気に込み上げてきて驚いた。

落ち着かない、楽しいのか嬉しいのか淋しいのか幸せなのか、区別に困る感情が自分の身体を制御できそうにないくらい一気に溢れ出してきた。

好きな夜の空気をひとりで楽しんで、アイスが美味しくて嬉しくて、やっぱりそれでも淋しくて、誰にも知られることのないようなこの瞬間、私は幸せなんだってしっかり感じた。

すこし前から何をしても、何を見ても感情が動かなくなって、感情のテンプレでやり過ごしていた自分がやっと本来の私に、ちゃんと戻った気がした。

久々に感じたこの感動がすごく愛しく思えた。

私は私でいることを諦めなくてもいい。

私が疲れたら寄り道したっていい。

私が私であり続けようとする限り私は必ず戻ってくるって、身に染みて感じた。

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