第20話 俺、強制参加?!クラム討伐部!
「……………」
「……………」
どうも、俺、零です。ただ今、俺は日向と一緒にある人を睨んでます。誰かと言うと…
「いやー、そんなに見つめられると…恥ずかしいじゃないかー」
ちょっと恥ずかしそうなそぶりを見せる大馬鹿野郎、春風学園長、まあ、俺たちの叔父だ。
「「はああああああああああ!!!何恥ずかしがってんだよ(の)!!!!」」
そんな叔父の態度に俺たちの怒りがMAXになった。
「がはははは!!!そう、怒りなさんな、俺はお前達を思ってだな。」
「「どーーーこーーーがーーーだーーーよーーーーーー!!!!」」
まあ、何で俺たちが怒っているのか、それは30分前に戻る。
「おはーれいちゃーん」
「おう!おはようー」
「眠そうだねーれいちゃん」
「まあ、昨日遅くまでゲームしてたからなー」
俺と龍牙は教室で談笑していた。
すると…
「生徒のお呼び出しをいたします。1-2 如月 零、如月 零、1-2 如月 日向、如月 日向
至急、職員室まで来なさい」
「えっとー、何で?」
「れいちゃん……何したんだよ?」
「いや、全く身に覚えがありませんが?」
「でも、職員室に呼ばれるってなんかやらかしたとしか思えねーんだけれど。」
「いや、もしかすると、先生のお手伝いかもしれないだろ?!」
「ええー、でも、日向っちも一緒だしな、ま!行ってこい!」
「はぁー、日向ー行くぞー」
俺は日向を呼んだ。向こうも女子と話していたらしいが、さっきの放送を聞いていたのだろう、嫌そうな顔をしていた。
「何したのよー日向ー」
「何もしてないよーてか、れい兄と一緒かー、はぁー、絶対れい兄のせいだわ」
「おーーいーーー?!日向ー?俺のせいにしてないー?俺、何もしてないんだけれどー」
「いやー、今までのれい兄の行動見てたらさーやらかしたのかとー」
「ひどくない?!俺、そこまで素行が悪く見える?」
「うん!見える!」
「笑顔で言わないでくれるかな?俺、泣くよ?」
「はいはい!お二人さん、兄妹漫才はいいから行ってこい!!」
龍牙に止められたため、不服そうな顔で職員室に向かった。
「「失礼しますー。呼ばれたんで来たんですけれど」」
「!!ああ、来てくれたんだね?さあ、こっちに来てくれるかな?」
1人の先生が俺たちを手招きした。なんか怪しい雰囲気があったため、俺たちは無意識に警戒した。
「君たちを学園長が呼んでいるんだ。君たち、心当たりない?」
「いえ、全く」
「右に同じく」
「そうか…分かった。じゃあ、学園長室行こっか!」
作ったような笑顔を貼り付けた先生が俺たちを学園長室に連れて行った。
「さあ、入ってー中に学園長が待ってるから。」
「はい!」
「ういー」
俺たちは学園長室に入った。
部屋の先で学園長、春風さんが待っていた。
「来てくれたね?まあ、座ってくれ」
「いえ、結構ですわぁー。それよりも、用件教えてくれね?」
「ちょっと!れい兄!叔父様に向かって!」
「日向、今、この人に敬語使っている暇はないらしい」
「え?…!!」
日向も気づいたらしい。後ろになんかいることに。
「後ろの奴らが誰か知らねーけれど…とりあえず…おいクソ叔父、早く用件言えや!」
「ふむ、お前達を呼んだのは、クラムに関してだ。」
「はぁ、叔父よ、俺らもう関わらんって言ったよな?政府のゴタゴタにはよ?」
「待て待て、そう言う話じゃない」
「なら、どう言う話?大体、そっちから呼び出して、クラムの話?もう、クラム討伐に参加しろしか言わないだろうが!」
「がはははは!!」
「笑い事じゃねーんだが…あと、後ろにいる奴ら誰だよ!!ずっと後ろにいるんだけれど?!ねえ?!!」
「ああ、そいつらはサイボーグだよ」
「はぁ?何でサイボーグ?」
「いやー、部下とか使ったら、お前らバレるじゃん?だから、知り合いが作ったサイボーグを入れたんだ、ついでに防音になってるから、外には聞こえんよ」
「はぁ、何でそこはしっかりしてんのか、ありがたいけれど」
「がはははは!!」
「れい兄、とりあえず黙ってくれる?」
「俺が怒られるのね」
俺は渋々黙った。
「それで?お話とは?」
「カッカッカッカッ!あの最強も、妹の言葉には弱いなー」
「んだと!コラ!」
「れい兄?」
「……はい、すみません」
「よろしい、あと、叔父様、おちょくるのはやめて下さい。」
「う、うむ」
流石の叔父も日向の気迫に圧倒されたらしい。
「用件はな、実は、この学園に新しく部活が設立されることになってな。お前達にはその部活に入ってもらいたくてな。」
「なるほど、で、その部活とは?」
「うむ、名前は『クラム討伐部』だ!」
「……………」
「……………」
はぁ、なるほど、『クラム討伐部』ねーふむふむ、なかなか良い名前じゃないですかね?うんうん、あのー1つ言っていいかな?うん
「結局、クラムの討伐関係の話じゃねーーーかーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
そして、今に至る。
「おい!クソ叔父、何考えてんの?ねえ?」
「うむ、お前達の実力を知っておるからの、この部活にはお前達が必要だと考えておる。まあ、受けてくれるじゃろ?」
「えっとー、頭イカれた?精神病院行こっか!」
「まだ、頭は動くわい!この部活にはお前達が必要なんじゃ、最近クラムが活発になってきてるから、お前達の協力が必要になってきていてな、だから…」
「だからって、俺たちをそれに関わらせると?ふざけんなよ!俺らが何で辞めたか、知ってるだろうが!」
「それは…重々承知しておる。それでも、強すぎるクラムが出てきた時、お前達に動いてもらわないといけないのだ。頼む!」
「この……!!」
俺が叔父にさらに刃向かおうとした時、
「叔父様、その部活、まさかとは思いますが、龍牙さん達も入る予定ですか?」
「………ああ、そうだ」
「!!……正気ですか?まだ、私たちだけなら良いですが、龍牙さん達を巻き込むのは違うのでは?」
「ふむ、あいつらがまだ、立ち直っていないことも、苦しい目に遭わしたことも理解しておる。」
「なら!」
「それでも、必要なんじゃ!この国を、この世界を守るためには……」
叔父が苦しそうな顔をした。
「本当なら、ワシら大人がやることだ。お前達、子供がするべきことじゃない…それは理解している…だが…」
その様子を見て俺たちは察した。
(こりゃあ、政府から色々言われてるな?はぁ、相変わらず、お人好しな叔父と、クソみたいな連中だな)
「……はぁ、とりあえず、事情は分かった。俺は状況とか部活について色々言いたいことはあるが、まあ、今はいいわ、その部活に入っとけばいいか?」
「……いいのか?」
「断ったら、めんどいことになりそうだし……ただし!1つ条件がある」
「条件…」
「ああ、条件ってのは他でもねぇ、日向や龍牙達の意思を尊重しろ、強制にすんな、俺みたいに」
「!!」
「れい兄?!」
「俺はまだ、慣れたから良いが、龍牙達も、日向もそこまでじゃあねぇ、なら、その意思を尊重するぐらい良いだろうがよ、自由に選ばせてやれ、それが条件だ!」
「………」
叔父は俺の目を見てきた。俺も叔父の目を見返した。
「……分かった。約束しよう」
「なら良し、日向はどうする?」
「はぁ、私もやります。元より、れい兄がやると言ったらやるしか自分の心の中の選択肢はないんで」
「了解」
「…そうか、分かった、すまんが頼む!」
叔父が珍しく頭を下げてきた。
「龍牙達にはどう伝えるんだ?」
「連絡はもう伝えている。」
「そうか、まあ、ならすぐ返ってくるだろう」
「うむ……お、来た」
「早くね?」
「ふむ…やるそうだ全員」
「!!はぁ、決まりか、『クラム討伐部』って言うからには、クラムばっかり討伐するんだよな?」
「うむ、ただお前達だけが部員ではない」
「「え?」」
「当然この学園の強い奴も部活に入る。その人達と連携をとって戦って欲しい。なるべく、お前達の本来の力を使わないようにするために考えた方法だ」
「待てよ!それしたら、余計に俺ら能力使うじゃん!守らなくちゃいけなくなるじゃん!」
「いや、その部活に入る連中は実力者ばかりだ、お前達ほどではないがな」
「そりゃあ、俺たちほどあったら、政府に捕まってるよ、武器として利用されるんだから」
「ああ、だから、すごく強すぎる相手にはお前達に戦ってもらいたい、だが、普段はサポートに回るような立場になると思ってくれ」
「なるほどねーはぁ、そうそうヤバいやつは出てこないと思うけれど…まあ、いいわ」
「日向はどうかね?」
「私もそれで構いません。ただ、私たちじゃない他のメンバーが心配ですが…」
「大丈夫だとワシは信じておる。」
「話は以上か?」
「うむ、また、後日、詳しい内容をみんなに話すそれまで待っててくれ」
「了解」
「了解です。失礼しました。」
そう日向が言って俺たちは学園長室から出た。
「まさか、また、討伐に関わるとはな」
「だね、はぁ、前みたいにこき使われないかな?」
「いや、あの叔父の言い方だと、相当な実力者だと思うぞ他の部員が、だから、俺たちも力を使わずに正体隠して討伐に参加できるらしい。」
「まあ、そりゃあ、バレたら私たち、前に戻されるもんねー」
「だなー、もう絶対、政府の連中の駒にはならん!」
「そうだね、私も嫌だ……あんなこと…したくないし、させたくない…誰にも…」
「ああ…とりあえず、龍牙達とも相談だな」
「うん!」
俺たちは教室へ急いだ。
「みんな揃ったな!それじゃあ、始めようか!」
「「「おおおおーーーー!!」」」
「せーのっ!」
「「「「夏休み計画ーーーー!!たーてーるーぞー!!!」」」」
「いや、違うでしょ」
「あれ?違った?」
「それも大事だけれど、叔父様から言われた部活について話さないとね」
「…………そうだな」
俺がふざけて空気を盛り上げようとしたが、そんな感じではなかったらしい。一応龍牙達もノッテくれたのだが…
「…………本当なのか?その『クラム討伐部』が設立されるって、そこに俺たちが入部するって話は……」
「ああ」
「何でだよ……れいちゃんの叔父さんと約束したよね?俺ら、もう関わらねぇ、自分の意思で生きていくって」
「ああ」
「なのに…春風さんまた、俺たちを関わらせるのかよ」
「龍牙」
「怖いなマジで、だって、また、見るんだろ?あの光景を、あの戦場を、あの悲劇を」
「…………」
「終わってるだろ、そんなの……」
魁斗が苛立っていた。まだ、立ち直れていない様子だった。
「叔父が無理して参加しなくても良い、ただ、本当にピンチの時手を貸して欲しいって言ってた。」
「…………」
蓮斗も魁斗も何も言えなかった。多分、自分も助けたいし、救いたい、そう思っているはずだ、ただ、それをすると、人の苦しみや悲しみを見ることになる。その姿は醜く悲しいものだから、心が死んでしまいそうになる。
魁斗達はその光景に心が苦しくなり、暴走したことがあった。だから、今でもそれを引きずっている。
「まあ、やるってみんなが言っちまったし、やるしかないが、無理はせず、自分たちで最低限のことをするってことで」
「そうだな…」
俺たちは、それぞれの想いを抱えながら、自分たちの家に帰った。
俺は夢を見た。昔の実際にあった時の出来事だった。
俺の周りが悲惨な姿になっていた。綺麗な街だったそこは焼け野原に変わっていた。家は燃え尽き、木々が消え去り、地面が割れ、多くの人の死体が転がっていた。
そして、この街の中央では…
ぐがぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!
がぁぁぁぁああああああ!!!
クラムの声が響き渡っていた。
魁斗と蓮斗が泣き崩れ、俺と龍牙、日向の3人がまだ、かろうじて立っていた。
(どうしてだ!どうして!こいつらが……くっ!俺たちは…なんで守れない?!クソ!)
「日向!みんなを連れて逃げろ!」
「れい兄?!何言ってんの?!」
「頼む、生きてくれ、俺よりもお前らが龍牙達が生きてなきゃいけない」
「れい兄もでしょ!!」
「俺はどうとでもなる、でも、お前らはそうはならねぇ、だから、早くいけ!」
「くっ!れい兄…分かった、龍牙さん、魁斗さん達を!」
「……れいちゃん…死ぬなよ」
「はっ……誰に言ってんだよ」
龍牙と日向が魁斗達を連れて離脱した。
「ふぅ、静かになったわ、これで心置きなく……」
「ぶっ殺せるわ」
がぁぁぁぁああああ!!!!
「お前達に明日なんてねぇよ、死ねや!」
俺は暴走して、クラムを倒した。だが、その暴走でそこにあった家も木々も死体も消え去った。
世界でこのクラムを倒した人物を英雄として称えた。
その英雄の名前は…
『黒夜叉』
俺は目が覚めた。最悪な夢を見て。
俺は自分の腕を目に置いた。
「もう、2度と……失わせねぇ、誰も…悲しませねぇ………
それが、俺たちの……『罪滅ぼし』だ」
※あとがき
はぁ、なんですの?わたくしに次回予告をしろと?全く、これだから下民はー
ってわたくしが誰だか分からないですって?!
わたくしはヴァイオラ・ローザですわ!覚えていなさい!
次回ですわ!
夏休み!ハラハラドキドキ、海水浴!
お楽しみですわ!
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