2075年――
関西万博の跡地〈夢洲〉は、今や移民と異世界人が交差する、まばゆいカジノ都市へと変貌していた。
だが、その光の下には、誰にも知られてはならない『もう一つの顔』があった。
理想を掲げる国会議員・辻本重蔵は、
「多様性社会の実現」を信条に移民擁護を訴え続けてきた男。
しかし、連続する若い女性の失踪事件により、夢洲の裏側に潜む『異形の真実』が露わになってゆく。
動き出すのは――
冷酷無比な暴力で敵を殴り伏せる巨漢・荒海トツカ、
そして、魔眼《通天眼》を操る陽気な狙撃手・マックス=チョウ。
戸籍も身元も不明なふたりのアウトローが、
悪意と欲望が渦巻く夢洲の奥底へと斬り込んでゆく。
一方、暗く湿った地下室で目覚めた少女たちは、
『生贄』として神に捧げられようとしていた。
恐怖と絶望に支配される中、静かに立ち上がったのは――
黒い矛を手にした、ダークエルフの少女。
この街の正義とは何か。
この社会の共存とは何か。
そして、彼女たちを『救う者』とは?
幻想と現実、理想と暴力が交錯する、
『未来×異世界』クライム・アクション、開幕。