第6話 各々の一週間 F=m⋅a=m⋅ΔtΔv
しばらくエフィアの離れに滞在することになった一行。滞在中は牧場の手伝いをしながら、今後のことや、この世界の生活感を理解することになった。
KENZOは牛舎の清掃や、町での活動をすることになったが...
慣れない環境での新たな挑戦が始まろうとしている。
KENZO:「ロッジ牧場のミルクはいかがっすかー」
KENZO:「今朝とれたてのミルクですよー」
KENZO:「おにいさん、筋肉や骨にもいいですよー」
KENZO:「(・・・人はいるし、遠巻きに聞いてはくれているんだが・・)」
デンダー:「見ない顔だな、ロッジ牧場ってどこだ」
街の若者:「勝手に売り出して、筋肉にいいって。おまえ強いのか?」
KENZO:「(・・・うお、お約束の絡まれではないか)」
街の若者:「無視すんなよ、このデンダーの兄貴は町一番の冒険者でつええんだぞ」
KENZO:「・・・ロッジ牧場のミルクお買い上げですか~?」
デンダー:「筋肉にいいって謳ってんだろ、どういいのか見せてくれよ。そしたらお買い上げしてやるぜ!」
デンダーの拳がKENZOに向かって軽く振り下ろされた。しかし、KENZOは軽やかに身を翻し、拳は虚しく空を切る。「ん?」かるく痛い目に合わせてよそ者に町のルールを乱さないようにさせる
つもりだった。
「ちっ!」デンダーは舌打ちをしながら、今度は横からのフックを放つ。だが、KENZOは、紙一重でそれを躱した。
三発目、四発目、五発目...。デンダーの拳は一度もKENZOの体に触れることはない。次第に汗が額に浮かび、息が荒くなってくる。
「何だコイツは...」デンダーの心中に疑問が浮かんだ。見た目は普通の若者だが、この動きは只者ではない。拳を振るうたびに、相手の冷静な表情が彼を苛立たせた。
十発、十五発...。デンダーの動きが明らかに鈍くなってきた。重い拳が空を切るたびに体力を消耗し、呼吸は荒く、足取りもふらついている。
(俺だって町の冒険者だ!町の困りごとしたり、魔物退治をやってんだ!このまままじゃ示しがつかねえ)
町の人々が静かに見守る中、デンダーは自分の限界を感じ始めていた。
デンダー:「はぁ、はぁ、逃げてばっかで打って来いよ!おれも本気でいくぜ」
KENZO:「(・・・どうすれば、、打撃を与えて怪我でもさせたらロッジ夫妻に迷惑をかけてしまう!)」
KENZO:「(・・・かといってこいつもしつこい)」
KENZO:「(・・・配達員時代に培ったアメリカの庭の番犬を追い払うあれをやるか!)」
KENZO:「ウー!キャウ~ン!!ワンワン!はッ、はッキャウ~ン!!」
デンダー:「うわ!なんだ!抱きついてくるな!はなれろー!」
デンダー:「何者なんだ、おまえは狼人間か!覚えてろよ」
KENZO:「ふぅーなんとか切り抜けたぞ・・」
KENZO:「あ、なんかヒソヒソ話してるぞ」
KENZOの様子にとまどいながらも、町の人がすこしづつ話を聞いてくれるようになった。見慣れない顔の青年が、一体何者なのか興味深そうに眺める町の人たち。
しばらくすると小さい女の子を連れた親子がやってきた。「犬のおにいさん、ミルクを一つ下さい」と女の子が可愛らしく声をかける。
その声を聞いた他の町の人たちも、次第にKENZOのミルクに興味を示し始めた。朝の新鮮なミルクの香りが、町の広場に漂っている。
「本当に筋肉にいいのか?」「どこの牧場だっけ?」そんな声が聞こえてくる中、KENZOの一日の販売が少しずつ軌道に乗り始めた。
◆ knowledge of マメ◆
パンチの力学とその対処法について理解しよう。
パンチの力学的解析:
• 力の公式:F = m⋅a = m⋅(Δv/Δt) - 質量×加速度で力が決まる
• 運動量:p = m⋅v - パンチの威力は質量と速度の積で決まる
• 衝撃時間:Δt が短いほど瞬間的な力F は大きくなる
• エネルギー:E = ½mv² - 速度の二乗に比例してエネルギーが増加
パンチを回避する科学的方法:
• 相手の重心移動を観察:パンチ前に体重移動が起こる
• 肩の動き:肩が下がる瞬間がパンチのタイミング
• 目線の変化:攻撃前に相手の視線が狙いを定める
• 最小限の動き:大きく避けずに軌道をずらすだけで十分
物理学を応用すれば、力で劣っても技術で勝てる!知識は最強の武器だ!
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