1:接触2
「どう? ルフトさん?」
「ハイ、外傷モ無ク、脈拍ニモ異常アリマセン。オ聞キキシタ通リ、精神的ショックデ、気ヲ失ッテイルダケト思ワレマス」
細い手を取り、健康管理フレームと照合し、異常の無いことを確認する。本人の了承がないため、バイタルデータから、この人物だろうと思われる
担ぎ込まれた真っ白い人物を、応急的に診断しているのは、ロボットにしか見えない先鋭的なフォルム。さしずめ
「まあな、ぶつかって吹っ飛ばされた後、平気で起きあがって、
ここは、
イスには
薬箱から、熱冷ましのシートを取り出し、ソファーに横たわる白っぽい人物の
「むしろ、
ガタガタ。イスをガタガタさせ、
「たまたま、突っ込みすぎて、緊急作動したコミューターが、
口をとがらせ、言い返す
「だから、そう言ったぜ」
「ん? そうか? まあ、助かったのは、
ウォロンウォロン! ウォロォロォロォロォン!
玄関先から、過充電状態の、
この状態が、解消されるまでは、コミュータを自走させることは出来ない。少年2人は可憐(推定)な少女を、座席へ座らせ、手で押してきたのだ。
お互い無事で何より、と頷き有った後、
「おい宇宙服。
普段より、低い
「現に、見ただけで、倒れちまう人だって居るんだからな」
指さした
「っつうか、いい加減、消せ! この
「
顧問一押しの、顧問の子供声とはひと味違う、舌っ足らずだけど悪戯っぽい声。
「今日は、気温が
ピタリと停止し、ジジジジーと、古い静電プロッタのような音を立てる宇宙服。
ギョッとする
その音は、ワルコフが暴走中に発した音と、同じだったからだ。
宇宙服は、バイザーの中央いっぱいに四角い枠を表示した。
そのまま、腰を
「ん? なんだそれ、顔どうした?」
「は? ワルコフの
可憐な少女(推定)のでかい
「違う、
ソファーと同じ高さのテーブル上に立つ
「別に、何も変じゃねえぞ?」
「いや、そうじゃなくてな、……ワルコフ飛行士、こっち向いて見ろ」
ワルコフは
ブワハハッハハハハッ!
豪快に笑うガタイの良い少年。
「おう、失敬だな、
「なら、ワルコフ!
宇宙服は、がに股のまま、跳びはね空中で120°ターン。
一連の行動の間中、
ビシッ! 決まった。ズルとギコチなさ満載だが、バレエのような動きが炸裂。
ぽこん。
『★★★☆☆”アントルシャ”チャレンジ獲得』
宇宙服の頭上にポップアップした、謎のダイアログ。
いつもの冗談の
アファファファアファファッ!
崩れ落ち、
テーブルの上の
「ひひっひ、っつうかコレ俺の顔ずっと張り付いてんじゃん! なにやってんだワルコフ!」
「なー?」
カシュッ。
「あー
「
ワルコフは、
笹木
「……
どこからか
「ん? コウベか? 」
”
テーブルに置いてみるが、なにも、出てこない。
ん? ”
「おいおい、なんだそりゃ―――!?」
「オ気ヅキデスカ―――?」
そんな声に、顔を上げた
教室で
ただしその大きさはハンマー部分の大きさが抱き枕くらいはありそうな巨大さ。
対するは、十数センチの
ワルコフは巨大なオレンジ色に叩き潰される直前―――
細長い棒を
シュドン!
放たれた実像は、額のリング状の脳波
ポポン♪
「
大人っぽい声の、
パシャ、ウイゥイィッ。ガシャ―――ぼっすん。
開放され、背後へ転がり落ちた、開発者用っぽい本格的な
舞い上がる栗色の長い髪。ひるがえる真っ白いワンピース。
その姿は半透明ではない。白色光に照らされ、産毛が
揺れる長いまつげ、切れ長の瞳。
強いて言うなら清楚系美少女そっくり。
つまるところ、
「うわ、また、リアルコウベ来た―――!?」
ひっくり返した”
「痛って! 何すんだ、シルシ!」
額を押さえる
♪ピチュチュイ?
その上に、ポトリと落ちる抹茶色、
「ふっぎゃんっ!?」
ピプルル♪
引き潰れるコウベの声に重なるように、配送シュート便、到着のベルが鳴る。
ソファーの上を転がっていた、
ジタバタする
あー。
ピプルル♪
収拾付かない、今の状況を介さず、再び到着ベルが鳴った。
「はいはーい! 今、でまーす!
「お、おう」腰を上げる筋骨隆々。
玄関先では地下から、かなり大きな配送カーゴが迫り上がってくる気配が伝わってくる。
「お前等は、全員着席! ルフトさんは何か飲み物でも出してあげて」
振り返り、指示する
真っ白な、リアル
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