8:小鳥ファイル解凍その3
量子コンピュータの特性を利用した、完全ホログラフィー技術、”画素”。
光分子を投射し半永久的に定着させる事が出来る。
”発生原理が解らないまま使い方だけ
現在、様々な理由から、特区内でも”物理解像度での空中投影”は、禁止されている。
”画素”を表示する際に、表示要素以外の情報を入れ込むことで、情報を処理することも出来る。
しかも、映像解析技術や圧縮プロトコル、ひいては、量子的特性を複合的にリソース化していった結果、飛躍的に処理速度を上げることが
”画素”技術が公表された当初、複雑で入り組んだ狭い所へ投影するのに、量子演算を持ってしても、膨大な解析時間を必要としていた。
だが、投影すればするだけ増す
特区周辺なら、たとえ密閉された空間内でも、なんの装置もなく物体表面に、印字品質の精細さで、投影できる。
個人
具体的には、対応モニタや対応平面構造に、
大規模な演算発生中や、映像チャンネル混雑時などに、周辺の固定映像用の画素面が、
より
VR界隈での呪文、”正式な手順さえ踏めば、あとは機械が全部やってくれる”の、
”
1:高出力で内蔵の”
2:その発熱で転写した光
3:定着した上から、別の反転した様なパターンを転写して重ねる。
4:分子レベルでの積層化により、数十枚重ねられているパネルの内の、1枚の中に、”機械作動式”の、計算機を作る。
―――ざっと説明した
「「「「さっぱり解らない!」ないわ!」ねえぞ!」なぁいぃ!」
説明した
実際には、既に用意されているプログラム”画素”の1枚目を、
しかし、
◇◇◇
ココまでが、
ココからは、実際の、
ルフトは、室温が下がるのを見計らって、残りの折り詰めを抱えて持って来てくれる。部屋が暑くなるので、隣の部屋に待避させて置いた分も、1/6ルフトが1個ずつ運んでくれている。
「ソレハ階下ノ、住人達カラノ伝言デス」
補足するルフトから、折り詰めをどんどん受け取る、
1/6ルフトから1個ずつ、折り詰めを受け取る笹木講師。
箸や紙皿を出して、テーブルを整える
会食の準備に関しては2回目なので、非常に手際が良くなっている。
『自動屋台のごちそう、こんなに沢山有り難う。遠慮なく頂きます。』
大きめの付箋紙に、偉く達筆な筆致で書かれており、小さくも、立派な御礼状の様に見える。
「
「学生さんは居ないけど、外周のアミューズメント施設で働いてる方達が、何人か」
「連絡シタ所、先ホド、沢山ノ同僚ノ方ヲ引キ連レテ、オ戻リニナラレマシタ」
気の利くルフトは、開いている窓を閉めながら、言葉を続ける。
「沢山!? そんなに居るなら、足りねーんじゃ無ぇの? 下に置いてある分だけじゃ」
「でも、コレ、結構ずっしりと、重いし、ふつうの駅弁とかよりは、量有ると思う」
と猫手を脱ぎながら
ルフトは、1/6ルフトと見つめ合い静止する。
チ・チ・チーと、小さな発信音が漏れているので、どこかと通信している様子。
砕けた感じの男性の声と、明るい声色の女性の声で、
「えぇーー!? 十分十分、美味しく頂いてまーす!」
「ちょうど人数分足りてるよー! シルシっち、サンキュー! ブツッ」
と1/6ルフトから、返答が帰ってきた。
「ダソウ……デス」
フルサイズルフトは、
部屋付きの
「あらぁー。小さいルフトさん便利ねぇー」
ムギュリ。胸の谷間で1/6ルフトを抱える、笹木
シルシは、引ったくるように1/6ルフトを取り返して、隣にいた
ガシーン。
「痛って! やんのかっ!?」
筋骨隆々の少年が、血気盛んに立ち上がり、抱えていた1/6ルフトを、フルサイズルフトへ、優しく手渡す。
「良いわねっ! もう姉さんに気安くしないで欲しい所だったしねっ!」
やや、ミニマム体型の、ロングヘアーをカチューシャで
2人とも揃って、後ろ手に構える。
「彼の地に万有が降り立ち―――」
「彼の地に万有が降り立ち―――」
まるで聖剣を掲げる女騎士のように、大げさに携帯ゲーム機を取り出す。型番は最新型の
「ア、アノ……」
今まさにゲームとはいえ、殴り合いの喧嘩をしようって2人の間に、事もあろうか、気弱なルフトが割って入った。
「おう、ルフ公、止めんなよ! コレはぁ、
と言いつつ、ルフトを気遣い、横に
「どわれがぁ! 男かぁあ! 付いとらんわぁ!」
「なんだ!? 今更止め―――」
背を向けた相手を、追う形になった
舞い上がる
回し気味にピンと伸びた足の下で、ルフトは「賞味期限ガ……迫ッテイマ……スヨ」と言葉を続けている。
対する
キィィィィィィィィィィィィィィィィン!
哀れ、
回転ジャンプの瞬間に「それ……見せてんのか?」と溜め気味・・・・に言った
その惨劇を目の当たりにした、笹木<姉>特別講師は、
「
と、何か勘違いをしながら、3人へ背を向け、「いただきまぁす」と本日2度目の会食を始めた。
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