第2話ディスカバリー

僕は天上(あまがみ)高校二年三組水宮氷治(みずのみやひょうじ)得意なものや苦手なもの好きなもの嫌いなものはない。

感情もない。

今年も何もない日が続くと思っていたが突然女性が話しかけてきた。

「また同じクラスになったね、後もう二年よろしくね♪」

この人は一年の時から生徒会に立候補してた一咲香奈(いちさきかな)だ。

毎回学力考査で学年トップの天才だから覚えてる。

「よろしくね、香奈さん」

「ねぇねぇ~香奈ちゃ~んそろそろいいだろ?」

突然絵に描いたようなチャラ男が現れた。

こいつも同じクラスだ。

霧ヶ峰空牙(きりがみねくうが)学力考査は毎回最下位、毎日馬鹿騒ぎしていたから覚えている。

「なんだ、またお前いるのかよ。なんでお前はそんなに無情なんだよ」

「知らないよ…」

そう、毎日こんな会話が続く…

「感情、欲しいか?」

ん?気のせいだろうか?急にそんな言葉が聞こえた。

そっと空牙の顔を見た。

その顔はいつもふざけている空牙の顔ではなかった。

真面目だ。

「どうだ?今えっ?て思わなかったか?驚いただろ?それは感情で言うと【驚愕】だろ?感情に興味はねぇーか?」

「ある…」

なぜだろう…今までの会話では驚かなかったけど空牙の言葉にだけは反応した

「もっと知りたい…」

わかる…徐々に自分のなかで【不思議】と感情による【欲望】が湧いてきた

感じる…どんどん心の奥から【好奇心】が【興奮】が【期待】が膨らんでくるのを。

これが…感情なんだ。

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