人間と距離感とセオリー
猫野郎
第1話人間はそもそも分かり合えない
精神疾患を抱えている大半の人々は他人に自分の考え方理解してもらえない、
なんで自分の考えが理解できない人間ばかりの世の中なのかと。
自分ではコントロールできないところを決まって座標としてミサイルを撃ち込む。
少なからず人間に対してあたかも100%に近い値で疎通が成立していると勘違いしている連中がいるのは事実だ。
千差万別とはよく言ったものでまったくその通りなのであるが、
逆に完全に意思疎通できている世界が仮に存在しているとしたらどうなるか?
考えただけでも恐ろしい話。それは世界の破滅の前夜。
僕たちは自分の考えを胸の右側より上の方に秘める、または独自のフィルターをかませて他者に歪めて伝えることで、自分世界と他者世界の秩序を保ち、その中で生きる事さえゆるされている。こんな複雑極まりない仕組みを選択した人間である以上、そのロジックからは逃れることはできない。
誰も逃れることができない。
みんなそれぞれの思想を背負って、こねくり回して、時には泣いて、時には怒り、時には無力感に囚われ、そもそもそれまでなかった足首につながれた鎖と鉄球があたかも現実として見え始めたら自分の世界が静かに崩れていく合図と認識しても差し支えない。
僕はこのままでいい。逆にそのままがいい。それが人間らしいから。
もしも、すべての人のすべての思考が手に取るようにわかったのなら。
神様がテレパシー機能を人間につけなかった理由。
その反動で分かり合えないことに対してもどかしさ、意味もなく神経をすり減らし、のた打ち回り、混沌とした酒に酔ったような無力感の中で奏でる音のような、なんというか、なんともいえない、空虚なかつ無意味とも取れあたかも価値があるかのような、時間という概念を与えてくれた誰かにありがとうという方が少なからず正しいのかも知れない。
ただありがとうと。
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