登場人物紹介

第一部第一章登場人物


・副島 文弥(そえじま ふみや)

 この物語の主人公。ある日街を歩いているところを、世界の揺らぎに飲み込まれて生まれ変わるはめになった。

 冷静沈着で計算高いが、普段は軽めな言動をすることが多い。予期せぬ事態に弱く、思考が停止することも。

 相手の思考や長期的な動きを予測することに関しては隔絶した才能を持ち、ボードゲームやカードゲーム、射撃やデイトレードなどは負け知らずである。

 対して直感や瞬間的な予測はやや苦手であり、格闘技などでは一流になれないと自覚している。とはいえ身体能力は悪くなく、相手の手の内が把握できているのであれば封殺することは可能である。

 某大学の機械工学科所属。都野守与一と物部晶の三人で、部活を立ち上げた。

 自分からは必要以上に人と親しくしようとしなかったが、面倒見は良い方であり、問題解決を頼まれると部活動の傍ら助言などを施していた。

 大学近辺では『困ったときの副島頼み』なる合い言葉が生まれた程である。なかでも特に恋愛相談が多く、先々の相性まで読み切ったアドバイスは評判であり、本人は嫌がっているが『キューピッド副島』なる呼び名も定着している。

 転生後はフミヤと共に主人格を務める。魔術と弓術、情報収集を主に担当する。

 最近は図書館がお気に入り。


・フミヤ=シュタインベルク

 文弥の転生後の名前であり、初めに生み出した人格。基本的に常駐しており、文弥と分担して身体を動かす。

 文弥の影響で年の割には大人びており、打算的に行動することもある。

 人の懐に入り込むことが得意であり、年齢的な違和感を抱かせないという意図もあって初対面の人への対応はフミヤが当たることが多い。

 文弥と比べると、剣術を初めとした近接戦闘に才を発揮している。また、礼儀作法もフミヤの担当である。

 図書館は嫌いでは無いが、図書館に住まうノリスが苦手。

 アルフォンスに懐いており、父親である国王に専属護衛へと推薦している。


・源太

 文弥が作り出した人格の一つ。武法術の扱いに特化している。

 趣味は寝ること。源太曰く、世界樹との同調を深めるための瞑想らしい。


・ジョン

 文弥が生み出した人格の一つ。魔術の扱いに特化している。

 文弥以上に演算が得意であり、天才肌。また、極度のリアリストでもある。


・アルフォンス

 人類最高峰の戦闘能力を持つ、金眼赤髪の美男子。

 顔つきは優しげなのだが、鍛えられた肉体と風貌が猛々しい印象を与える。

 傭兵としての経歴が長く、処世術なのか相手との立ち位置で口調が変わりやすい。

 信念が強く、必要であれば武力、財力、人脈を得るための労力を厭わない。

 孤児院の出であり、年齢は不明であるが二十歳は超えているとのこと。

 二年前にリソニア王家が魔物に襲撃された現場に居合わせた。そのとき助けに入った縁から、食客として招待される。現在はフミヤや軍の指南役をしている。

 剣術、魔術どちらも得意であり、特に爆炎系の術と剣術を組み合わせた独自の戦闘スタイルを確立しており、それを知る者からは爆炎剣と呼ばれる。

 出自や戦闘技術の習得経緯に謎が残る。

 

・テレジア

 世界を支える八龍の一である智龍。その眷属である天狼の末裔。本来天狼族は幻獣として神域で生活しており、現世へと現れることは少ない。

 不慣れな現世で不意を突かれて手傷を負わされ、龍脈を通ってヒルメスの森に逃げ込んだところでフミヤ達と出会う。

 両親の教えと生物の格の違いから高圧的な口調に聞こえるが、本質的には穏やかで包容力のある女性である。

 毒の治療を続けるためにアルフォンスの従魔になった。


・北条 彩花

 大陸の東からやってきた召喚士。現在十六歳。箱庭では数少ない純粋な日本人でもある。

 召喚術の適正が高い日本人の中でも、百年に一人といわれるほどの才能を持つ。

 主に使役するのは白虎族の雷伯。他に近接戦を補うための自律式を二体保有する。

 大きなミスはしないがやや脇があまい。

 兄弟構成は兄と妹。弟子入りした環境でも姉弟子しか居なかったので、弟というものに憧れを抱いている。

 フミヤの母と何らかの繋がりがあるようである。


・ライアン

 フミヤの護衛その1。しっかり者の方。

 国が秘密裏に運営する『学園』の出身。フレッドとはその頃からの腐れ縁。

 槍と魔術が得意。どちらかというと防御型。

 酒が入ると面倒くささが増す。

 

・フレッド

 フミヤの護衛その2。お調子者の方。

 ライアン同様『学園』の出身。

 身体強化魔術に秀ででおり、それを生かした体さばきと二刀流による超攻撃型がメインスタイル。攻撃魔術は苦手。


・ハヤテ

 王家に仕える隠密の一人。現在はフミヤの身辺警護のまとめ役をやっている。

 本人は至ってまじめなのだが、そのまじめさ故の毒舌とでも言おうか、人の弱い部分を的確に抉る言葉を放つので、部下からはやや距離を置かれている。


・御者

 今回の狩りに使った馬車の御者を務めた、名も無き執事。

 王家に対して狂信的なまでの忠誠心を抱いている。

 戦闘スタイルは短刀と拳銃による対人特化。身のこなしは高位武芸者に匹敵する。


・カーマイン

 B級協会員。ヒルメスの森には若手の引率で訪れた。

 A級協会員の条件は協会へ多大な貢献をすることと、世界各地の協会で仕事をこなすことである。故に傭兵としての活動が多く、主に大陸南部に拠点を構えるカーマインはB級のままである。

 体力、防御力、指揮能力に秀でており、防衛線構築を得意とする。一部の傭兵の間では浮沈要塞の名で知られている。

 豪放磊落な性格であるが人の機微には敏感であり、冒険者のフォローをすることも多い。

 酒や宴会が好きなのだが体質的に直ぐ分解されてしまい、余り酔うことが出来ないのが悩みでもある。


・エミリア=クロックフィールド

 リソニア王国の侯爵。軍馬の名産地を所有しており、先祖代々軍とは深い関係にある。

 現在は祖父が軍の元帥を務めており、彼女自身中佐という階級である。

 現在三十歳。そろそろ婚期が気になるお年頃。

 馬上戦闘に秀で、指揮官としても優秀。一万人程度なら、副官無しで部隊運用が可能である。


・リソニア国王

 フミヤの父。レオンハルト=シュタインベルク。

 賢王として名高く、安定した統治を行っている。

 先見の明に優れており、その双眸が何を写しているのかはフミヤですら理解出来ない程である。


・シラヌイ

 リソニア王家に仕える隠密の筆頭。ハヤテの父でもある。


・ノリス

 リソニア城内にある図書館の主。世界樹内のデータベースにアクセスできると言われる、賢者の一人。

 遙か昔にリソニア王家の食客として迎えられ、今に至る。

 人よりも遙かに永い時を生きる長命種であることは分かっているが、その種族や年齢を知る者は誰も居ない。

 現在はフミヤの家庭教師役を務めている。


・ルドルフ

 フミヤ付きの執事。

 フミヤが優秀で手間が掛からないことを、やや寂しく感じている。


・ノーマン

 ヒルメス駐屯地に詰めていた分隊長。

 ヒルメス村の光景が気に入っており、上官との粘り強い交渉の末に現在の地位を手に入れた、たたき上げの曹長。

 今回村が襲撃を受け、防衛に全力で当たった。


・ロディ

 エミリアの下で一個小隊を率いていた少尉。

 今回の事件では活躍の場が得られず、貧乏くじを引いて宴会の裏で戦後処理の指揮をしていた。

 とはいえ、仕官したての頃ノーマンにしごかれて苦手意識を持っており、貧乏くじのおかげで余り顔を合わせずに済んでほっとしている。


・セリオ

 カーマインに引率されていた、駆け出し冒険者。

 南西の小国、パラストニアの出身。

 同じ農村の幼馴染みであるマルコとイネスを説得し、共に冒険者となった。

 その後王都リソニアでシルビオ、パメラ、アントニウスの三名と出会い、パーティーを組む。

 パーティーではリーダー役を務める。素質はあるが、武力も財力も無い現状にいらだちを感じている。

 恵まれた環境に生まれながら、それを生かせずに時間を浪費している貴族を嫌っている。

 そしてそれ以上に、ただ漫然と協会員になり、不満だけを垂らす同業者を嫌っている。


・槍使い

 敵組織に属していた槍使い。王都へと走るフミヤ一行を足止めするべく、戦闘を仕掛けた。

 戦闘中に負傷し、気を失っていたところを無力化される。一連の事件で確保出来た数少ない捕虜の一人。


・瑠璃色の巫女

 敵組織の一員。名を奪われた召魔の巫女。

 事件の終盤、八人の贄と共に儀式を行い、その身を魔物に捧げた。

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