セドナの手記

書くの面倒臭いわね……。


わたくしはセドナ・マキシマ・ミディランダ。ミディランダ公国を治める大公の一族。元はゴードレア王国の公爵家でしたが、相伝の大魔法や特殊魔法などに秀でた貴族だったために、力を強めて今に至りますわ。公国と言っても強力な軍事力を持っているため、資源大国のゴードレアとは仲が宜しくてよ。何かと共同戦線を張り、交易も盛んですからね。


まぁ、一族の一人というだけで私は権力に興味はありませんわ。あるに越した事はないですが……。それと、こう見えても100歳を超えていますの。秘伝の特殊魔法で若返れますからね。稀にその秘伝魔法を狙い、愚か者が誘拐などを計画したりしますが、同時に所有する大魔法を恐れて結局は諦めますわね。

軍事強国を敵にする覚悟はないのでしょう。


私が弟子を拾ったのは何時だったかしら……覚えてないわ。哀れな緑のヒヨコを引き取ったら、なかなか優秀になり巣立った。そんな所ね。勿論、あの子のことは愛しているわ。でも、この年になると出会いと別れが多くて色々あるのよ。


ヒヨコと言えば、二番弟子の金色のヒヨコは可愛いですわね。頭が悪くて可愛いですわ。ペットとして持ち帰りたいですわね。銀色のヒヨコは普通過ぎてつまらないですわ……。


あと、そう。緑のヒヨコの一番弟子は見所があるわ。大人になったら間違いなく眉目秀麗びもくしゅうれいになるわね。今のうちに唾を付けておこうとしてるけど、なかなか落ちないわね。いい加減に結婚もしたいですし、好みの男に育て上げるのも悪くはないと考えてます。……フフフ。


それと緑のヒヨコは分かってないみたいだけど、一番弟子は訳ありね。あの子、魔人と似た気配がするわ。でも、悪い気配ではないわね。本当は帰る予定でしたが、あの子に色々と興味が湧いたから、しばらくは居候させて貰うつもりですわ。


こんな所かしらね、ごきげんよう。

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