ときどき趣味で悪の組織とたたかってます
「趣味?」
熊本支援ボランティアの面接官はぽかんとして聞き返した。
「そうです」
大谷吉継は答える。
「何故、ときどきなんですか?」
面接官は不思議そうに尋ねた。
「悪の組織と言っても、相手は国連とかWHOとかの巨大組織ですし、バックには4京円をデリバティブ取引で動かしてる資本家の連中がいます。それをまともに相手してたら身が持ちませんし、ちょっと馬鹿にした態度ぐらいがちょうどいいんです」
「馬鹿にするのにも何か理由があるのかな?」
「やっぱり、相手を怒らせて冷静さを失わせると、ミスしやすくなるんで、とりあえず挨拶代わりに殴ります。いや、言葉の暴力で」
白い頭巾から覗く白い歯がまぶしい。
「よし、採用! 明日からボランティア来てくださいね」
「ありがとうございます」
大谷吉継は嬉々として面接用テントから出ていった。
「三成、何で採用なんだ?」
面接官の石田三成は島左近の質問に答えて曰く。
「何となくです、面白いじゃないですか。趣味が悪の組織とたたかうとか。少なくとも。忍耐強さはありそうですし」
「三成、お前も変わったやつだな」
呆れ顔で左近は豪快に笑いだした。
だか、この何となくで何度、命を助けられたか解らない。
ISISでのリゾートバイトの記憶を懐かしく思い出す左近であった
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