　僕の会社に石田三成という派遣社員が来た。

　妙に気が利く男で、三時の休憩にインスタントコーヒーを淹れてくれるのだか、それが絶品の旨さなのだ。

　インスタントコーヒーとミルクの配合の黄金比率というのがあるそうで、永年の研究でそれを発見したそうだ。

　ちょっとしたことなのだが、彼の淹れたミルクコーヒーなしでは三時休憩は過ごせなくなってしまった。

　彼が金曜日に休んだ日には月曜日まで待ち遠しくなってしまうぐらいだ。

　当然、彼を正社員に勧誘するのだが、頑なに固辞されてしまう。

　何か事情があるのだと思うが、たぶん、豊臣秀吉もこんな気持ちになったのだろうと思う。

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