貴方の思いをキスで表現せよ 03 (3/17改稿)

 俺は、委員長に「ありがとうな」と声をかけると、彼女ははにかみながら、小走りで教室を出て行った。


ふぅ、次の子は、っと。 「仕草見てて、つい もじ子ちゃん、って勝手にあだ名付けちゃったけど、ごめんね?」つい、声に出していた、やべっ、まずった?

 

 彼女は答えなかった。 なんか、会話が続かないのはやだなぁ、って思いながら続けて声をかけてみた。

「はずかしがりやさんなのかな~、って思ってさぁ」


「よ、よく友達からはそう言われるんです」

「え? どんな風に?」

「だから、もじ子ちゃん、って」

そう答えながら、さらに仕草が派手に…… 手が頻繁に動いてて、もじもじ感がヒシヒシと伝わってくる。 なんか、ほのぼのとしてくるな、この子といると。


「よし、決めた」

「え、何をですか?」


 赤くなった頬にターゲットON!


「照れた顔がなんともいえず、可愛いよ」

「そ、そうですか? ふふっ」きらきら笑顔で答えてくれた。 か、かわいいじゃん。


「では、覚悟はいいですか?」そう、おどけて言うと

「ふふっ。 どこにしたいのか、分かった気がします」おお、積極的な子だ。


「そう、じゃ、いくね」

「はい」そういうと左の頬を前に出してきた。


ちゅっ


「はわ~。 なんかほっぺがぽかぽかしてきましたぁ。 あ、ありがとう」

そういうと、駆け出して教室出て行っちゃったよ。

俺もいい気分になりかけたその時に「なぁ、ちょっといいか?」


もじ子ちゃんとの余韻に浸る間もなく、ジャージの人がポニ子と俺の間に割り込む。


って我慢してきたのに、なんなんだ、こいつ。


ポニ子ちゃんも、急に割り込んできたジャージの人に戸惑いを隠せないように見えた。

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