まだ壊れているから大丈夫
山崎あきら
金持ちムスメに僕の日常は崩される
プロローグの第一話
?
全体を見回すことができることを
4月2日のことなんか特にそうだ。
上から見たら何で地響きが聞こえてきたのか分からないだろうし、突然発光し出したのは一体何だったのかなんて謎のまま。それに何のためにそんなことになっているのかなんて絶対にわかんねーよな、って俺は思うわけで。
要するに鳥瞰するなんて、難しい漢字使っている癖にそんなの大したことねーってこと。ただあれだ、その場に居た俺もその時は何がなんだか分からなかったから、これに関しては、おあいこってことにしておこう。
ただやっぱり結局はその場にいないと本当のことなんて分からないと思う。近くにいたからこそあの地響きは地震なんかじゃなくて、発光していたのは彼女で、そして彼女はとんでもないことを告白したのを俺は知っている。
でも、もしかしたらその告白は空からでも聞こえたのかもしれない。だって不思議とその言葉を発する瞬間、すべての音が止まったからだ。
なに言っているだそんなこと起こるはずがない、と思うだろ?でもさそんなことが起きるのがこの世界なんだ。何でも起こる可能性を持っているのがこの世界なんだ。でもみんなは大丈夫だと思う。うまくそれに乗っかってやっていけるはずだ。何の事だかわかないと思うけれど、それが正常だから安心して。分かっちゃったら俺の仲間だ。仲良くやろう。
で彼女が何を告白したかだけど、ちょっと笑わないで欲しいと思うわけ俺は。だって彼女は嘘を言っている訳ではなかったから。いや笑うのは良い、でもひかないで欲しい。でもまぁあの言葉は無いか。やっぱ少しはひいてもいいかな。仕方ないよな、と思う。
「私、石油の王様だもの」
ね?ちょっとひくでしょ?
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