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「たまたまってどうゆうこと?」


みさっちが、口をとがらす。


「えっとね、結婚の話が出た時に限って、車が壊れて買い換えるはめになったり、私や聡の親族に不幸があっあり、よ」


「そんなのあり?」


ねぇと、四人は口々に言う。


「しょうがないじゃない!そうしてるうちに、タイミング逃しちゃって。それだけのことよ」


私の説明になんだか納得のいかない表情を浮かべる四人。


でも、本当にそうなのだからこれ以上の説明のしようがなかった。


「まぁ、じゃあさ、今年こそあるんじゃない?」


なんとなく気まずい空気になったのをうちやぶったのは、やはり、みさっちだった。


「だね!ちょうど節目だし」


美花がすかさず同意すると、


「ちゃんと報告してよ!メールでもいいからさ。Facebookで結婚を知ったなんてパターンは仲間外れっぽくて嫌だもん。ちゃんと、直子から報告が欲しい」


アメリカ在住の加代が念を押した。


「わかってるってばぁ」


私はなんだか照れくさくて、また、不機嫌な口調になる。


「じゃあ、次は直子のおめでとうパーティーで!」


杏里がグラスをかかげると、みんなこぞってグラスをぶつけ合い、再会を約束した。

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