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次に連絡が来たら、これまでの態度を詫びようと思った。
言い訳になってしまうけれど、聡と会ったのは辛い恋を引きずっていた時期で、自分自身をもて余していた。あなたのことが嫌いだった訳じゃなかった。嫌いなら会ったりしない。本当にごめんなさい、と。
そう。私は聡のことが嫌いではなかったのだ。
けれど、聡からの連絡はない。
もしかしたら、嫌われたのは私のほうだったのではないだろうか。
無理もない。何度も言うように、私はずっと可愛いげのない態度だったし、その年代の普通の男の子なら、いい加減にしろよ!と罵声の1つや2つ浴びせられたって不思議ではなかったのだから。
でも、聡はそうしなかった。
その時点で、いや、もっと早い段階で、聡の心の広さに気づくべきだった。
連絡が途絶えてから、私はようやく聡を意識し始めたのだ。
それで、私は初めて自分から聡に電話をした。
柄にもなく、緊張していた。
もし、連絡が途絶えた理由が私に呆れた結果だとしたら?
それよりも、新しい彼女ができていたとしたら?
でも、そうだとしても、私は聡に謝りたかった。
それすらも、私のエゴだとわかってはいたけれど。
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