rena-renaの詩編

第1話男に、なるんだ…！

風が　みなぎる。

笛の音　ひびく。

大地にみちみちた　生気が流れていく。

あふれかえっている。

時はひとりでに過ぎていくけれど

あなたの面影はわすれない

一人前の男になるんだ

――甘ったれた感情をすてて

――いま　狩りにゆく

かわいいあのこに恋を告げにゆく

――一人前になるんだ。

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追いかけて　追いかけて

風の音に耳をすまし

ひきしぼった弓矢で射（い）る

――これで故郷に帰れる

かわいいあのこは出迎えてくれるだろうか？

…自信をもとう。

これだけのことを　やってのけたと　

胸を張り　みんなのもとへ帰ろう

さあ！　いそぐぞ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

ぼうずよくやったなと父が　頭をなぜる。けれど

僕はもう、ぼうずじゃない。

男になったんだ！

母が煮焚（にた）きをして　迎えてくれる。

あのこはどこだろう？　北の湖だろうか？

ようし！　待っていろ。

一番のとっておきを　君に贈ろう

僕のとっておきを　君に贈ろう。

だれもがおどろくほどの　大物（おおもの）を。

みんなをおどろかせてやろう！

僕たち　結ばれるんだ…！

そう言ってやろう！

さあ、君に逢いにゆこう。

この想いを告げるために―― ！