Through all my lonely nights



ただブロックを間引いていくだけ

そんな僕らの夜は

ささやかな熱で繋がっている

いつまでも暁光ぎょうこうが差さないことを願いながら


命を間引きしていくこと

足し算と掛け算の順序を錯誤

減っていくカウント

激しくなるサイレン

炎天下の小夜時雨さよしぐれに奪われれば

少しはねじくれたくもなる

人間でしかないことを認めて

携帯灰皿を持たずに

煙草に火を付ける

ささやかな罪で

打ち消したくなる

人であるがゆえの純真

汚濁に塗れていた方が

幾分かまし


往く道に詩情を見るのなら

ためらわずに駆け抜けて

そして戻って来ないで欲しい

別な夜で手を繋ごう


ただブロックを間引いていくだけ

そんな僕らの夜は

ささやかな熱で繋がっている

きみがキーを叩く音はどこからも聞こえないけれど


寂寞を余韻嫋々よいんじょうじょうと爪弾いて

晩夏が朱に消えゆく時に

そっと僕も進み往こう

それが事の顛末てんまつ

つまらない僕の配慮で

刻んだ文字の彩りで

熱は消えない

ブロックはまだ間引ける

また夜明けは訪れる

月夜烏つきよがらすが朝焼で惑わす

僕らは泣きながら這い出てきて

羽ばたきの向こうへ叫んでみる

此畜生こんちくしょう

こうして生まれついたばっかりに!

月夜烏が朝焼で惑わす

涙が零れるよ

また繰り返すことを知っている


ただブロックを間引いていくだけ

そんな僕らの夜は

ささやかな熱で繋がっている

いつまでも暁光が差さないことを願いながら

もうすぐ夜が明ける

僕らの熱を撃ち抜くよ



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