第四十七話 巨大な扉
「しかしよ、コバキ。この
「あぁ……かもな……」
コバキは
シナジノア島にある地下迷宮は、
それに
その攻略組でも
「コバキよ……ここはマジでヤバイぜ。もっと
「だがな、もうアイツらがこの迷宮にはいるんだゼェ?」
コバキは、幸村たちのことを言った。
「未踏迷宮に
コバキは仲間たち、ひとりひとりの顔を
「アイツらに
言って、ニヤリと笑った。
「一生遊んで暮らせる金……か……悪くないな……ウヘヘ……ヘヘ」
盗賊風の男も相槌を打つ。
「しかしよぉ、コバキ。俺たちだってガキじゃねぇんだ。欲にかられて命を落した冒険者なんて山ほど見てきただろ?」
「あぁ、そうだな……。だがよ、『未踏迷宮』だぜ!?シナジノアの冒険者の
「ウェダリア迷宮の七英雄……」
コバキの仲間六人はゴクリと喉を鳴らし、顔を見合わせた。
「そう、英雄の仲間入りだゼェ。金、
「オレは、コバキについて行く」
盗賊風が言う。
「オレたちも行くぜ」
「同じく、わたしも」
プレートアーマーの
「そこまで言うならな……。その賭けに乗るわい……」
僧侶が言った。
(たしかにココは危険な匂いがプンプンするがなぁ。オレが大儲けするためには、まずはコイツらに覚悟をきめさせねえとなぁ。うまく行ったゼェ)
コバキは心中思うと、言う。
「すまねぇなぁ、お前たち。オレのわがままに付きあわせちまって。だがこの賭けに乗って、
コバキたちは、さらに迷宮の奥へと進んだ。
どれほど、奥に来たろうか。コバキたちは、何箇所かの
コバキは言う。
「あれはきっと『主の間』だな。ミノタウロスは、あの中か……」
「コバキよ、やっぱりヤバイってよ!『主の間』の主が生きてる迷宮なんてよ!ミノタウロスって言ったら、
薄汚れた僧衣の僧侶が言った。
「……そうだな。とはいえ、きっと凄いお宝を持ってるはずだ。倒さねぇ手は無いゼェ」
「しかしよ、命あっての
「ちょっと待て。考える……」
コバキは黙って、手を口に当てた。
(……そうだな、アイツらを使うか……)
「よし、さっきの
「そうか、アイツらと
「アハハハハ!」
仲間たちが笑った。
「フフフ……そうだな。だが
コバキは、不気味な笑みを浮かべた。
幸村たちも、迷宮の奥へと進む。コバキたち
「な……なんで?あの感じ悪い人たち、先に行かないの?」
ミラナは
「さぁ。わかりませんな」
と幸村。距離は
「よぉ!待ってたゼェ!」
コバキは
(なにか影のある笑いだ。
幸村は思いつつ言う。
「ここで何をしておられる?」
「いま言っただろぉ?待ってたんだよ、あんたらを。協力しようと思ってよ。あの突き当りに大きな
「主の間?」
「あぁ、地下迷宮の主の
「ギサック翁の孫も、あの中か?」
「まだ見てないからわからんが、おそらくそうだゼェ」
幸村はそれを聞くと、ミラナと
(油断ならんヤツラだが、ミノタウロスとかいう魔物もあなどれん。協力するしかなかろう)
幸村は心中思うと言う。
「わかった、協力しよう」
「よし、そうと決まれば行こうゼェ!」
コバキは、歩き出した。カツカツと廊下を歩く
その巨大な扉の前に立った。高さは、
コバキは、その扉に手をかけ
「オレが開けるゼェ。
言うと、廻りの者たちを見まわした。みな自分の
「よかろう。開けてくれ」
「よし!……クゥ!……オラァ!!」
コバキは
幸村とコバキたちに
だが、
みな
不気味な静けさだ。
「すげぇ!すげぇ!あれが主の……ミノタウロスのお宝だゼェ!!」
コバキは興奮気味に
「誰もいないわね……」
皆が周囲を
「おまえら、油断するんじゃないゼェ……」
進むうちに広間の奥、入り口付近からは暗がりで見えなかったところに
「いた!あれがギサックさんのお孫さん!?」
ミラナが言った。
その廊に閉じ込められている男女が、幸村たちに気が付いた。男が言う。
「助けに来てくれたのか!
「おい、ミノタウロスは
コバキが聞いた。
「わからない!ちょっと前にどこかに行った!」
「チッ!どこにいやがる!」
幸村は、周囲を見まわしすと
「おかしい……静か過ぎる……」
幸村とコバキたち八人は広間を進む。その
「ァ……アァ!」
「あぁ!?どうした!?」
コバキは振り返ると言う。
「あ!……ぁ…出やがったゼェ!」
その声に皆が、後ろを振り返った。
いつのまに現れたのか、広間の入り口の巨大な扉の
「あれがミノタウロスか……」
幸村、千子村正を
ミノタウロスは、後ろ手に入り口の巨大な扉を押した。扉は鈍い音をたてて動くと、バンと大きな音を立てて閉まった。その音が広間に木霊する。
ミノタウロスが、不気味に笑ったように見えた。
その次の
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