第二十九話 アズニア王
アズニア城は街の北寄り、海近くの小高い丘の上に築かれていた。
「
「聞いておる。そこで待たれよ」
門番は
「ずいぶんと待たせますな」
佐助は
「うん。なんでだろうな?」
「
「フフフ……オレもそう
幸村も潮の香りを嗅ぎながら言った。
半刻は待たされたか。門番は言う。
「もうじき、迎えの者が来る。今少し待たれよ」
幸村か、うなずくと城の門が重い音をたてて開いた。そこには
「これはこれは、キリー・ガクレル
男は門番の
「よく参られた。アズニア国王ダンジオ様のところへ、ご
男は、幸村たちを城の中へと招き入れた。
幸村と佐助は、
「おい、
「だから言ったでしょう。いろいろと
そこに
「あら、キリー。ごきげんよう」
女は才蔵に微笑みかけた。その身につけている
「才蔵、今のは
幸村が聞いた。
「はい、ダンジオ公の
佐助が
「え!?おまえが転がりこんた女の家って、ここか!?アズニア
「しっ!佐助さん、声がでかい!なんだか、たまたまそういう事になっちゃったんですよ。うまく行き過ぎましたね……」
「うむ……我が
幸村が、またしきりに
長い
そこに引き締まった
才蔵が玉座の前に進みでる。
「ダンジオ様、ウェダリアの使者、
「ふむ、そうか」
ダンジオは言った。玉座に立て掛けてあった
「で、用は?」
ダンジオは
「我らが
赤い
ウェダリア王家の鷲の
「うん……思った通りの
ダンジオは、薄く笑って言う。
「なんでだろうなぁ?なんで援軍を出さなかったのかなぁ?なんでだと思うよ、真田幸村殿?」
「……」
幸村は黙った。歓迎されないだろうと思ってはいたが、
「さて……兵の
「いや?ハズレだな。アズニアの兵は
ダンジオはニヤリと笑うと声を張る。
「おい、
「囲まれましたな……」
佐助が、小声で幸村に言った。
「な、どうだ?兵はいつでも動かせる。アズニアを舐めてもらっては困るな」
ダンジオは言った。
「ふむ、
幸村は、
「武装も手入れが行き届いている。
幸村、
ダンジオは言う。
「フフ……
幸村は息を深く吸うと、言う。
「わかりました。それは───
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