瑠璃色のアルモニア

高西羽月

プロローグ

プロローグ・・・はじまり・・認識



さて、いきなり問題。

二メートルくらい離れた机の上に赤い林檎が置いてあるとする。

それを手を触れずに林檎だと証明するにはどうしたらいいと思う?

匂いを嗅ぐ?でも二メートル離れているから匂いを嗅ぐとしても難しいかもしれない。あと頼れるのは目だけだ。しっかり観察してみるが、やはりおいしそうな林檎に見える・・でも精巧に作られた粘土細工かもしれないし、ただの林檎の形をした石かもしれない。もしかしたら林檎のように見える梨かもしれない。

こうやって考えてみると、人間の脳で理解できるものって意外と少ない情報からでもいろんな可能性を導き出すことができる。

逆に、人間の脳は騙されやすいとも言える。だまし絵なんかを見ていると、おかしいと分かっているのに騙される。兎に見えるのにある角度からみると、ペリカンに見えたりだとか、見る焦点を変えると、若い女性の横顔が老婆の顔に見えたりと、様々だ。脳が単純なのか複雑なのか解らなくなってくる。

とまぁこんな感じで、正解は、確実に証明出来る術なんて無い、というのが正解かな。

ん?・・問題になってないって?

何が言いたいかっていうと認識の違いがあるってことで、今目の前にあるものが実は全く別のモノだったりするのかもって話。

それじゃぁ、人と神の違いって何なんだろうか?

神は崇め奉られるもの・・でも何処かの宗教団体とかは人が神の代弁者とかっていって、崇められている・・。これもまた、人それぞれでその人の認識によるものだ。心の支えや、拠り所になれば結局のところ粘土でできた林檎でも、本物の林檎になるという事だ。

さて質問、君が信じるのは、神?それとも自分?


 

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