親友たちへ
猫城
出会い
第一話 始まりは
その日は雨が降っていた。いつも通りバイトを終え家に帰りスマホを見るとメールが届いていた。
『君の彼女はもしかしたら多重人格かもしれない…』
俺はこの文面を見て何を言われているのか分からなかった。
『えっと…どういうことですか?』
俺はそうやってメールを送ってから彼女…
『ねぇ、お前ってさなんか最近おかしいって思うことある…?』
俺はそう打つと丁度メールが届いた。
『もしかしたら、君の存在が彼女の記憶から消えてしまうかもしれない、ということだ。』
俺はその文面を見た瞬間にとても焦ってしまった
(消える…俺が…?アイツの記憶から…?嫌だ嫌だ嫌だ…)
俺は急いで彼女に連絡をとった。
『ねぇ、お前は俺のこと忘れないよな…?』
『なんで…?忘れるわけないじゃん…なんでそんなこと言うのさ…』
『もしかしたらお前が多重人格で俺のことを忘れちゃうかもしれないからだ。』
『忘れないよ…それに私が多重人格なわけないじゃん』
『そっか…ありがと』
そう打って返ってきた答えに俺は戸惑った。
『アハハハハハハハw、気付くのおっそいなーw』
『…?』
『初めましてだねー彼方君?wこいつの人格の5割俺が貰っちゃったからw』
俺はそう言われて戸惑っていた。でもこいつは彼女とは違う…そう思い俺はどうしたらいいのか分からなかった。だけどこのまま家に居たら彼女が消えてしまうかもしれないそんな事を思い俺は最低限の荷物だけをもって家を出た。
雨の中びしょ濡れになりながら急いで自転車をこいでいると通知音が鳴った。なんだと思いながら見てみるとアイツからだった。
『あっれー?どうしたのかな?まさか泣いてるのかな?大好きな彼女さんがいなくなっちゃうからw』
(泣いてるわけないだろ…泣いてるよりも行動しないと時間の無駄だろうが…)
そう思いながら俺は再び自転車をこぎ始めた…。
(なんで俺こんなに必死になってるんだろうな、誰かに言ったらそれは嘘だとか言われるかもしれないのにな…そもそも多重人格なんてラノベの内容ぐらいしか自分には関係ないと思ってたのにな…)
俺はふとそんな事を思った。
(でも…疑う理由がないんだよな…嘘だったらそれでいいじゃん。でも本当だったら、俺はずっと後悔するかもしれない…。)
いつの間にか彼女の家が見えるところまで来ていた。
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